内容説明
「学説は実務に役立たない」といわれて久しい。市民のための法学は、現代社会がかかえる様々な重要問題の解決に重点をおくべきだという考えから、本書は、年間200万人を超える人々を裁く略式裁判の問題点、死亡事故を減らすためのスピード違反の取締方法、刑事裁判における弁護士の意識と役割等々を社会調査の手法やコンピュータを利用し、機能的考察法により明らかにする。
目次
1 機能的考察の方法(裁判―その機能的考察;機能的考察の方法試論;刑事法学における多変量解析の応用とその前堤)
2 略式手続を考える(略式手続の諸問題;交通切符体験者に聞く;露店商の取締りと交通切符)
3 交通犯罪の取締り(交通犯罪とその対策;スピード違反の取締りについて;オービス3事件判決と最高裁判決;自動車検問の法的根拠)
4 犯罪捜査と裁判(被疑者・被告人の取調べと勾留の場所;被疑者・被告人の身柄をどこに置くべきか;刑事訴訟と弁護士業務;あるべき集中審理;再審問題整理のための一考察)