内容説明
大仏建立にまつわる多くの謎を古代東アジアの国際情勢や日本と唐の関係など古代日本の実像から解く。
目次
1 謎解きということ
2 謎と謎解きの道
3 日本上代史の謎のかずかず
4 異国の神々がもたらしたもの
5 アキレスの苦斗とお雇い外人
6 天平への歩み
7 遊行する人びと
8 多目多臂の神々
9 大養徳恭仁宮の造立
10 大仏の骨組み造り
11 大仏開眼
12 はるけき大仏の道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
17
奈良の大仏はどのような理由で、どのように造立されたのか、どうしてあれだけの大きさを必要とし、いかに困難を克服して完成したか、どうしてあの像が現在地に造立されたのか。疑問を明解に説明してくれる貴重書。しかし、737年の「天平の天然痘大流行」には触れず、長屋王の怨霊説。藤原一族の重鎮の犠牲と旱魃は?。その後の環境汚染が遷都の因、「春日原始林、御笠山に巨木が密生していた大仏前期まで、建立のため自然やエコロジーが一変し、香水も枯れ、銅鉱精錬とその廃棄物で渓谷と流水が汚染され吉城川から佐保川に流れ込んだ。」とある。2021/09/23
山中鉄平
1
今のところ仏像に興味はさほどわかないが巨大なものには理屈なしで心が動かされる。で、さっと目を通させて頂いたがこの本の内容もまた私の能力を超えていた。私にとっては好ましい意味で大仏建立問題のくすぶりが頭に残ることとなった。2025/03/28