内容説明
考古学を学ぶものに深い感動を与え、読む者すべてを考古学の世界に、ひきずり込む魔力をそなえた名著。
目次
古道雑聚
山と先住民とその子たち
九州廻記
山口をおもう
信州尖石行
遠賀川日記
小沢半堂のこと
あの頃の考古学
読書雑感抄
脚のない古代史〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
土橋俊寛
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出版当時、多くの若者が本書を読んで考古学を志したという。初版が出版されたのは1946年12月。「日本原始陸耕の諸問題」(初出は『歴史評論』1949年)を除けば、本書では考古学上の学術的な考察にはあまりページが割かれていない。むしろ調査や研究旅行での日記や手紙、思いをつづったエッセイ集といった内容だ。そしてそのエッセイは情景描写も巧く読みごたえがある。著者自身があとがき的な位置づけの「病床読校」で「私自身もほんとうはこうした分の方がすきなのである」と書いているのも頷ける。全集が手に入りづらいのが残念だ。 2020/12/21