内容説明
古代日本に、大和王朝と対立した出雲―。なかでも、そのシンボル「出雲大社」ほど、われわれに考えさせる建造物はない。しかも、おどろくべき伝承がある―。「大社」が昔は現在の二倍の高さ、すなわち高さ約48メートルだったというのだ。木造建築の常識からみても信じられない“太く、重く、厚く、高い”建造物が実際に建つのか。建つとすればどのように建設したのか。本書は謎に満ちた「古代出雲大社」の復元を通して、今までにない古代史へのアプローチに、コンピュータを駆使して挑んだ建設会社、大林組の復元にまつわる物語である。
目次
第1部 古代出雲大社の心象風景―幸の祝福もたらす神事の異界(出雲をとりまく事情;出雲大社の造営;橋と柱;神賀詞奏上にみる異界性)
第2部 復元・古代出雲大社(神々の国から;出雲の大社が伝えるもの;古建築を復元すること;失われたかたちを求めて;姿をあらわした古代の出雲大社;古代出雲大社の構造解析;立ち上がる古代の姿)
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- 和書
- 藤沢周平全集 〈第4巻〉