内容説明
古代日本をめぐる国際関係。天皇即位の複雑な政治過程、任那滅亡までの半島諸国の盛衰、改新クーデターの舞台裏。従来の『古事記』『日本書紀』研究に大胆な批判を加え、新しい視点からの研究を通して、意外な歴史像を浮かび上がらせる。
目次
1 研究史上の諸問題
2 五世紀皇室権力闘争史
3 継体から欽明へ
4 任那滅亡―六世紀極東における戦略的思考の対決
5 用明・崇峻前後の政治過程
6 蘇我馬子政権論―閨閥政治の先駆
7 改新クーデター原因論
8 私地私民から公地公民へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
3
付箋紙が挟んであるので以前読んだことがあるはずだが、内容的にほぼ記憶にない。確かに書中で大きなウエイトを占めるのは任那滅亡だが、冒頭の津田左右吉史観への疑問や批判の方がインパクトは大きい。古代史の書籍も多く読んできたが、これほどの津田批判は始めての体験。かかる津田批判は著者が執筆当時海外在住故か?吉井・山尾両氏による顕宗・仁賢両天皇架空論への批判は鋭いが、継体欽明朝以後の『書紀』批判は磐井の叛乱の年次繰り上げ等、分析推論の手法に疑問も。「あとがき」は目の覚めるような論旨。「仮名手本忠臣蔵」の比喩に首肯!2023/05/28




