出版社内容情報
『仁義なき戦い』をはじめ数々の問題作を生んだ映画監督・深作欣二。熱気溢れる撮影現場から、今なお新しい作品の魅力に迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
d3
9
偉大な仕事を残した人物の足跡をたどるとき、はじめから大きな存在であったように捉えがちである。 ところが関係者による生の証言を集めてみれば、深作欣二が悩み、戦い続けてきた監督であったことがうかがい知れる。 映画人生の結果として、我々の持つ深作欣二イメージが形作られていたのだ。 戦後の焼け野原に立ち、大人たちの嘘、社会の嘘に覚えた怒りこそが監督の創作意欲につながった。理不尽さへの怒りのモチーフは、遺作まで消えることなく反映されている。 人物の死に様を見せてきた作品群は、観客に生きることを考えさせてくれた。2021/10/22
桑畑みの吉
6
2021年9月出版、深作欣二監督(1930-2003年)の作品と人間像に迫るムック本。春日太一氏の深作論を筆頭に俳優、脚本家、プロデューサー等27人(一部座談会形式)へのインタビューをメインに収録、巻末には関わった作品リスト付。この手のムック本は過去の出版物からの引用が多かったりするが、本書は殆どが上記関係者への貴重な新規インタビューとなっており読みごたえがある。「大部屋俳優への演技指導に熱心だった」「深夜になるとエンジンがかかってくる」という周知のエピソードがやはり各人の思い出として語られている。2022/08/09
まさやん80
4
深作欣二のムック本。春日太一責任編集だけあって、撮影現場のスタッフの証言が多く集められていて、貴重なものも多い。これまで作られてきた深作欣二また「仁義なき戦い」のムック本との重複を避けるような配慮もある。素晴らしい。 それにしても、深作欣二という映画作家の異常な熱量が伝わってくる。再評価につながると嬉しいな。2022/01/04
hata2
1
作品について論じるというよりも、当時一緒に働いていた時の話ばかりで、個人的にはあまりのれず。残念ながら、自分の興味と合わなかった。2022/07/30
tkm66
1
亡くなる前にこれくらいのレベルの批評集が出版されていれば・・。それにしても昔の業界人の「オレがやった」証言はここまで来ると微笑ましい(笑)。2021/12/17