出版社内容情報
落語の革命家の落語観を網羅。家元の対談、咄、エッセイ、など盛りだくさん。師匠を語る弟子対談は、志の輔×談春の語り下ろし。
河出書房新社編集部[カワデショボウシンシャヘンシュウブ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
43
夏に初めて元気な頃の若い談志の落語が見れた。うまい、そしてその色気に呑まれた。思えば、弟子の談春の「赤めだか」を読み、より深く知れた談志。その怖さと優しさと説得力のある言葉。今回は談志のムックである。対談相手だけで、心が躍る。先代の勘九郎、三谷幸喜、太田光、高田文夫、一番弟子の志の輔X談春。わたしにしては遅読で、3日くらいかけてこの贅沢なムックに浸っていた。正直、落語の演目はあまりわからない。しかし、これからの楽しみでもある。「人間なんて嘘という名の虚の中で生活している」、この深さにわたしはまた思案する。2024/10/30
gtn
24
談志の師小さんへの追悼文ほど愛情に溢れるものを知らない。内容は師への悪態ばかり。しかし、俺ほど師匠のことをわかる奴はいないとうぬぼれ、俺ほど師匠に可愛がられた奴はいないと甘える。談志の弟子志の輔が、師は「焦っていた」と言う。落語協会破門後、早く実績を作ろうと志の輔を異例の速さで真打にした。これも、「俺よくやってるだろう」という師小さんへのアピールかもしれない。2018/10/08
スプリント
12
やはり談志師匠の書かれたエッセイが読み応えがあります。 志の輔と談春の対談も面白かったです。 2019/05/06
やまねっと
4
河出のムック本に今のところハズレはない。 談春と志の輔の対談は思ってたほど読み応えはなかった。 短編の時代小説が掲載されてたけどあれのどこに談志と関係があるのか最後まで分からなかった。 談志は読む落語としても面白いものを出してきたと個人的には思う。 生では一度も見なかったことを後悔している。 今から20数年前の新聞に載ってた談志一人会に応募して行けばよかったと今さらながら後悔している。人生変わってたかも知れないが、もはや過ぎたことだ。伝統を現代に、は今も息づいている。合掌。2019/08/31
tsukamg
3
他者の書いた文章より、本人の書いたものの方が多いところはさすがという感じ。立川談志の残した紙媒体における膨大なテキストは、ムック本という形態に大変マッチしている。ページ数に比して読み応えは十分すぎるほどある。勘三郎との対談は、こんな会話を本当は年少の落語家としたかったんじゃないかと思わせる。三谷幸喜との対談では、相手に合わせて昔の映画について品のあるトークをしている。2019/02/27