感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりこ
44
カナダのピアニスト、グレン・グールドを偲びまとめられた珠玉の一冊。 レコーディングされたバッハの15曲の詳細な解説が本の半分を占め、グールドやバッハファンには興味深い内容となっています。エッセイでは朝比奈隆が人並み優れた鋭敏な音楽的な感覚と抜群の才能とを併せ持った20世紀で最もユニークなピアニストであったと褒め称えています。また吉田秀和の評論も、チェンバロの奏法をピアノに移してノン・レガートによって独自の美しさを作っている、あるいは「名盤ゴールドベルク変奏曲はその演奏があったこと自体が驚異だ」続く→2014/09/24
Daisuke HIROSE
1
16年前の坂本龍一×浅田彰対談に代表されるとおり、言説は歴史的風韻を帯びる。この二人がいま対談したらどんな話をするのだろう。2011/03/20
あ
0
バロックの時代の音楽は音の出るものならなんでも使った、ところが現代の作曲家はこれだけの音の出るものが沢山あるのにすごく限定された範囲でしか仕事をしていない。それをバッハなら何でも使ってみたくなるはずだが、我々にはそれがない、それが我々の弱さである。みんながそれぞれの壁のなかでしかやれないから、エネルギーは細分化されるし天才が出てきてもそれを発揮する蛇口が小さい。グールドも結局はそこから少しはみ出した程度の天才であったと。ははあ。情報量がすごく多くて読み応えはあります。疲れました2016/08/25