感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
12
知れば知る程掴めなくなる。くくれなくなってしまう。森茉莉。手に負えない程膨らんで、彼方此方に飛翔して、どこまで魅力的なのだろうと思う。きっとどこまでも魅力的なのだろうと思う。恍惚の相貌と暗さ。そのどちらもが本物であると言う都合の悪さ。底は見えないし、境目も見当たらない。大変に厄介な人だ。知れば知る程語るのが怖くなる。どんどん卑屈になってしまう。自分の内にも自分だけの森茉莉はいるけれど、それが正解でない事は自分が一番よくわかっている、と言った風。際限なく出て来てしまって、掴みきれないし、全然言い尽くせない。2017/01/02
マカロニ マカロン
11
個人の感想です：B+。父を「パッパ」と呼び、鷗外が掌中の玉のように特別に愛し、「おマリがするなら泥棒をしても上等上等」とヒザにのせて無上の愛をふりそそいで育った森茉莉さんの総特集。森茉莉さんのベストエッセイ、白石かずこさん、吉行淳之介さん、丸山明宏さんとの対談、笙野頼子×早川暢子さんの森茉莉愛溢れる対談、三島由紀夫、室生犀星の森茉莉論などこの一冊で森茉莉さんの魅力の入門ができる。「浮世離れしたばあさんである」と断言するナンシー関さんの論考は最晩年の森茉莉さんの魅力を的確に言い当てていると思った。2019/05/13
からかい上手の高木さんそっくりおじさん・寺
10
地元の図書館ではしょっちゅう貸出されていて、やっと借りれた。面白い箇所がたくさんあった。小島千加子さんの思い出話が一番良かった。本当に理解者だと思う。対談にあった事だが、茉莉さんが明治天皇や信長に恋してたなんて。ナンシー関さんの文は唯一初出時に読んだ。やはり上手い。そして『幽界森娘異聞』はいつか必ず読もう。大満足。2012/03/13
akubineko
5
森茉莉はいい！世間智がなかろうが、片付けができなかろうが、その美意識と、文章は最高だ。何歳だろうが永遠のお嬢様だ。 対談や、エッセイの再録。読み応えもあり、ファンにはうれしい書だ。2011/05/22
amamori
3
白石かずこ・丸山明宏・矢川澄子・吉行淳之介,,笙野頼子,早川暢子,荻原葉子・富岡多恵子・金井美恵子･中島梓・長野まゆみ・井坂洋子・ナンシー関・萩原朔美・白川宗道・丹生谷貴志・中条省平・小谷真理・島内裕子,室生犀星・三島由紀夫・磯田光一 などによる 対談、論考、エッセイなどを収録。森茉莉世界を一言でいうと、「天使の贅沢貧乏」「「乳母車の老年文学」「乞食王女の人工楽園」・・・なんだそうです。 2010/11/01
