内容説明
三島由紀夫生誕100年!「芸術というのは巨大な夕焼です。」存在のすべてを賭けて〈作品〉とし、自らを芸術に捧げた三島由紀夫のいのちの痕跡。
目次
序章 三島由紀夫の帰郷 蓮田善明と林房雄をめぐって
1(ジャン・コクトーからの出発 敗戦後の青春;三島由紀夫と昭和十年代の映画文化;戦中派的情念とやくざ映画 三島由紀夫と鶴田浩二;三島由紀夫とヴィスコンティ 死と悲劇と;映画俳優と小説家 『からっ風野郎』と映画『憂国』 ほか)
2(三島由紀夫と短歌 塚本邦雄と春日井建;二つの「花山院」 歴史小説の方法;「スタア」の世界 映画スターと仮面;三島戯曲の六〇年代 「十日の菊」と『黒蜥蜴』;「葵上―近代能楽集ノ内」と仏教;「卒塔婆小町―近代能楽集ノ内」とオペレッタ映画)
終章 巨大な夕焼 三島由紀夫 最後の芸術
著者等紹介
山内由紀人[ヤマウチユキヒト]
1952年、東京都生まれ。立教大学文学部卒。文芸評論家。1984年、「生きられた自我 高橋たか子論」で第27回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
151
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。あまり期待せず読んだら面白く一気読みでした。三島由紀夫の作品をほとんど読んだことがないので、純文学よりかと思いきや、かなりエンタメでした。鶴田浩二のファンで週刊プレイボーイで対談しているとは思いませんでした。江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を戯曲化したりもしていました。本書がきっかけで、新潮社 決定版 三島由紀夫全集(全44巻)の完読プロジェクトを立ち上げることにしました。 https://www.shinchosha.co.jp/zenshu/mishima_yukio/2025/07/14
kanai.m
1
私の初三島は『暁の寺』であったため、書名に惹かれ店頭で長らく気になっていた1冊。『暁の寺』の「芸術とは巨大な夕焼です」から始まる長台詞に当時中学生だった私はいたく衝撃を受けたが、本書の終章で「いかにも芸術家崩れが言いそうな」と喝破されていて痛快だった。確かにそうである。それはそれとしてⅡ章「三島由紀夫と短歌」は特に興味深く、若き春日井のうたを三島が「絶望の容器」と呼び、表現機能としての短歌を分析したくだりに得心が行った。読了後にはふと、定家の《見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ》が浮かんだ。2026/08/18




