内容説明
戦前は電通の雑誌『宣傅』の編集者。戦後、平凡出版からマガジンハウスへ…。大衆娯楽誌の未開の曠野に挑む不屈の魂。常に出版界の先頭に立ちつづけて昭和の高揚した時代を全力疾走した天才編集者、清水達夫の苦闘と栄光、そして挫折の物語。
目次
かつてこの地上に雑誌の王様ともいうべき編集者が存在した
覚醒
創業神話
編集革命
編集革命・セックス編
日本橋少年
青春時代
新雑誌挑戦
守護神
麒麟児
少数精鋭主義
美神の非命
歴史を拒む
女たちの平凡出版
その死とその後
再生
付録 夏目咲太郎作品集
著者等紹介
塩澤幸登[シオザワユキト]
作家・編集者。1947年生まれ。東京都世田谷区出身。早稲田大学文学部卒業。1970年平凡出版(現・マガジンハウス)入社。雑誌編集者として『平凡』、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、『ターザン』、『ガリバー』などの雑誌編集に携わる。2002年より作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
34
2013.08.08(読んだわけではありません、2013.08.04日経新聞読書欄から) (書評者=永江朗(フリーライター)) (見出=プランを練り続けた編集者) (塩澤幸登=1947生まれ、作家・編集者『平凡パンチの時代』) 出版不況が続いている。 売り上げの減少が激しいのは雑誌で、編集者がサラリーマン化した、と聞く。 じゃあ、昔の編集者はそんなにすごかったのか?すごかったのである。 マガジンハウス。 アンアン、クロワッサン、ポパイ、ブルータスの出版社である。 2013/08/08
midnightbluesky
8
最近、全くもって失速気味の雑誌がこの本の中で舞台となる出版社から出版されている。この本を読むと、その雑誌がなぜつまらなくなってしまったのか、という理由がわかった気がした。あの頃の輝きや栄光を回顧する、というより編集者同士の政治的な争いで、雑誌が死んでゆく様がリアル。2014/03/21
nizimasu
5
個人的にはあこがれの出版社として意識したのはマガジンハウスで大学生の時に清水さんの「二人で一つの物語」を読んでいたから、ここまで赤裸々な評伝はおもしろくもあり切なくもある。ある時期からマガハが失速していった裏に強烈すぎる権力闘争みたいなものがあり、それがかつての石川二郎派の塩澤氏がかいているのだからそれは痛快だ。でも個性的な出版社や自由闊達な雰囲気の出版社がゆえにこういう停滞が起きたのは、現状の出版界を思えば、むべなるかなで読んでいて身につまされることも多いし、なかなか過去の話としては片付けられない読後感2013/08/20
youfuruya
4
けっこうくり返しの描写も多かったりするが、綿密に書いていて読ませる。ぐいぐい引き込まれるように読んでしまった。2013/11/14
kabeo
4
今の雑誌の基礎を作ったというところに興味を持ち読み始めましたが、各紙創刊の頃は古い話すぎてあまりピンと来ませんでした。寧ろ、月刊平凡、週刊平凡、平凡パンチの休刊、廃刊の頃が、リアルタイムだったので感慨深いです(平凡最終号はかったような気がします。平凡パンチの休刊前の迷走思い出しました。)。その他のマガジンハウスの雑誌は、読んだことがなく、残念ながら感情移入できなかった。2013/09/15