内容説明
リトアニア生まれの詩人で、ニューヨークに亡命後は、独特のスタイルを持つ個人映画作家として知られるジョナス・メカスが、近年「写真と映画のあいだ」に位置する作品として制作している「フローズン・フィルム・フレームズ」。自らの映画から選んだコマを印画紙に焼き付けたユニークな作品を、撮影当時の日記とともに収録。加えて、来日時に詩人、吉増剛造と交わした二つの対話、インタヴュー、そして故郷での生い立ちと亡命に至る経緯を綴った自伝的エッセイを収める。
目次
1 フローズン・フィルム・フレームズ―静止した映画 インタヴュー・写真と映画のあいだで
2 日本への旅―吉増剛造との対話
3 私には行くところがなかった―亡命までの日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moi
1
「違ったことばをしゃべり、違った文化をもち、自分たちの土地で自分たちなりのやりかたで国を治めたいと願う人びとがあれば、かれらの土地、かれらのやりかた、かれらの自由をあたえてやりなさい。それからかれらを責めないこと、獣同然の暮らしにきみたちが追いやった人びとが絶望的に駆られきみたちの飛行機を乗っ取り、爆弾できみたちを不具にし、きみたちが犯罪と呼び、無分別と呼ぶ行為を犯したからといって、かれらを責めるな。」1976年9月16日2021/10/28
TOMYTOMY
1
詩人であり、映像詩人である。時間や時を超えて彼の生み出す物が私たちに定着する。 剛造さんとの対談が素晴らしい。2018/11/03
arkibito
0
リトアニア出身の詩人ジョナス・メカスが提示する1コマ1コマははあくまで詩的だ。あの時そこにあった時間が今ここでひっそりと息づいているといった具合に。デジタルの時代にささやかながらも産声をあげるアナログの歩み。2001/02/06