池澤夏樹=個人編集日本文学全集(全30巻セット) - 一括購入特典付き

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池澤夏樹=個人編集日本文学全集(全30巻セット) - 一括購入特典付き

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  • サイズ A5変判/高さ 21X41cm
  • 商品コード 9784309874531
  • Cコード C0393

出版社内容情報

【限定!特典つき】
『池澤夏樹と語る日本文学の愉しみ』スペシャルブック(非売品)を
セット購入特典として進呈いたします。


新訳にあたって 角田光代
とりかかる前は、この壮大な物語に、私ごときが触れてもいいのだろうかと思っていた。実際にとりくみはじめて、私ごときが何をしてもまるで動じないだろう強靱な物語だと知った。

古典から現代まで網羅する新しい日本文学全集、誕生!

特色
・池澤夏樹による個人編集

世界文学全集に引き続き、作家・詩人の池澤夏樹が“世界文学の中の日本文学”と位置付け、時代の変革期である今こそ読みたい作品を独自の視点で、古典から現代まで全30巻にわたって厳選しました。

・古典名作を第一線の作家による新訳で

『古事記』(池澤夏樹訳)、『源氏物語』(角田光代訳)から『たけくらべ』(川上未映子訳)まで、不朽の古典作品を第一線の現代作家による新訳で甦らせます。古典新訳を収録する約50年ぶりの日本文学全集となります。

・斬新な巻立てと魅力ある作品構成の近現代

「『日本人とは何か?』『私は誰か?』を問う素材としての文学」という視点から作品を選び抜き、各作家の巻に加えて、民俗学と文学をテーマにした「南方熊楠・柳田國男・折口信夫・宮本常一」、日本語の多様性を提示する「日本語のために」など斬新な巻立てが特徴です。また作家の巻は、小説だけでなく、エッセイ、評論も収録した魅力的な作品構成です。

・全作品解説を池澤夏樹が執筆

各巻、全作品の解説を池澤夏樹が執筆します。古典には専門家による作品解題、近現代には年譜を付け、各巻月報には作家、評論家などの書き下ろしエッセイを掲載します。

・読みやすさを追求

1段組みを基本とし、文字の大きさや書体に工夫をこらしました。また、従来の日本文学全集より多くふり仮名を入れ、読みやすさを追求しました。

・美しい日本の伝統色の装幀

カバーは6色の色展開で、帯は各巻にふさわしいイラストや写真で装いました。

収録作品一覧

1:古事記 池澤夏樹 訳[新訳]

世界の創成と神々の誕生から国の形ができあがるまでを描く最初の日本文学。神話と歌謡と系譜からなる錯綜のテクストを今の我々が読める形に。

月報=内田樹、京極夏彦 解題=三浦佑之 帯装画=鴻池朋子

2:口訳万葉集 折口信夫

百人一首 小池昌代 訳[新訳]

新々百人一首 丸谷才一

和歌の歴史を始まりから爛熟期まで九百年に亘って辿り、精選した歌に達意の訳と周到な註釈を添える。

月報=穂村弘、今日マチ子 解題=岡野弘彦、渡部泰明 帯作品=mina perhonen

3:竹取物語 森見登美彦 訳[新訳]

伊勢物語 川上弘美 訳[新訳]

堤中納言物語 中島京子 訳[新訳]

土佐日記 堀江敏幸 訳[新訳]

更級日記 江國香織 訳[新訳]

「もの」を「かたる」のが文学である。奇譚と冒険と心情、そこに詩的感興が加わって、物語と日記はこの国の文学の基本形となった。

月報=小川洋子、津島佑子 解題=島内景二 帯装画=清川あさみ

4:源氏物語 上 角田光代 訳[新訳]

5:源氏物語 中 角田光代 訳[新訳]

6:源氏物語 下 角田光代 訳[新訳]

世に優れて魅力ある男の物語がたくさんの登場人物を連ねて際限なく広がる。その一方で人の心の奥へも深く沈んでゆく。いうまでもなく日本文学最大の傑作。

上/月報=瀬戸内寂聴、大和和紀 解題=藤原克己 帯写真=荒木経惟

7:枕草子 酒井順子 訳[新訳]

方丈記 高橋源一郎 訳[新訳]

徒然草 内田樹 訳[新訳]

随筆とは筆に随うの意である。そこで筆がどれほど自在に遠くまで人を連れ出すことか。現代の日本人の感受性はこれらの随筆に由来すると言ってもいい。

月報=上野千鶴子、武田砂鉄 解題=藤本宗利、浅見和彦 帯写真=花代

8:今昔物語 福永武彦 訳

宇治拾遺物語 町田康 訳[新訳]

発心集・日本霊異記 伊藤比呂美 訳[新訳]

説話文学は仏教を説きながら、実は人間のふるまいの放縦を語る。教義からの野放図な逸脱はむしろ哄笑を誘うだろう。

月報=髙樹のぶ子、朝吹真理子 解題=小峯和明 帯装画=しりあがり寿

9:平家物語 古川日出男 訳[新訳]

古代日本で最も武張った年代記。栄華から滅びにいたる道筋の哀感を、語り物につながる文体で伝える。

月報=高畑勲、安田登 解題=佐伯真一 帯装画=松本大洋

10:能・狂言 岡田利規 訳[新訳]

説経節 伊藤比呂美 訳[新訳]

曾根崎心中 いとうせいこう 訳[新訳]

女殺油地獄 桜庭一樹 訳[新訳]

仮名手本忠臣蔵 松井今朝子 訳[新訳]

菅原伝授手習鑑 三浦しをん 訳[新訳]

義経千本桜 いしいしんじ 訳[新訳]

かつても今も、舞台からは人の声が響く。そこから演ずる者と見る者の交流が生じる。その喜びと興奮を現代の言葉で再現する。

月報=酒井順子、後藤正文 解題=宮本圭造、阪口弘之、内山美樹子 帯装画=五木田智央

11:好色一代男 島田雅彦 訳[新訳]

雨月物語 円城塔 訳[新訳]

通言総籬 いとうせいこう 訳[新訳]

春色梅児誉美 島本理生 訳[新訳]

江戸期は市民の時代であり、先取りされた近代であった。日本の小説は既にこの時期に完成していたのかもしれない。

月報=田中優子、宮部みゆき 解題=佐藤至子 帯装画=中村佑介

12:松尾芭蕉 おくのほそ道 松浦寿輝 選・訳[新訳]

与謝蕪村 辻原登 選[新釈]

小林一茶 長谷川櫂 選[新釈]

とくとく歌仙 丸谷才一 他

俳諧は自然と世間と人間を結ぶ。俳聖たちの句に連歌から発句を経て俳句に至る流れを辿り、現代の連歌として丸谷才一らの歌仙を収める。

月報=藤野可織、堀本裕樹 年譜=大谷弘至 帯装画=ウィスット・ポンニミット

13:夏目漱石 三四郎

森鷗外 青年

樋口一葉 たけくらべ 川上未映子 訳[新訳]

明治はまずもって清新な時代であった。まずは擬古文ながらモダンな一葉の「たけくらべ」を現代語訳で供し、その後に知的な青年を主人公とした「三四郎」と「青年」を配置する。

月報=高橋源一郎、水村美苗 解題=紅野謙介 帯装画=浅野いにお

14: 南方熊楠 神社合祀に関する意見

柳田國男 根の国の話 他

折口信夫 死者の書 他

宮本常一 土佐源氏 他

民俗学は文学のすぐ隣にいる。ではそこまで文学の領域としてしまおう。実際の話、境界はないのだ。

月報=恩田陸、坂口恭平 解題=鶴見太郎 帯装画=高木紗恵子

15:谷崎潤一郎 乱菊物語、吉野葛 他

あまりに多才で多面的なこの作家の全容はとても一巻には収まらない。それならば最も物語性に富んだものを。

月報=桐野夏生、皆川博子 年譜=千葉俊二 帯装画=会田誠

16:宮沢賢治 疾中、ポラーノの広場 他

中島敦 悟浄出世・悟浄歎異 他

世界文学を自分の内部に抱え込んだ二人の創作者。詩において、童話において、小説とエッセーにおいて、奔放にあふれるエネルギー。

月報=夢枕獏、古川日出男 年譜=栗原敦、山下真史 帯写真=川島小鳥

17:堀辰雄 かげろうの日記 他

福永武彦 深淵 廃市 他

中村真一郎 雲のゆき来 

西欧の近代文学と日本の古典を同列に置いて学んだ作家たち。その果ての達成はしなやかな文体と哀れ深い内容となった。

月報=堀江敏幸、島本理生 年譜=鈴木和子 帯装画=舛次崇

18:大岡昇平 武蔵野夫人 捉まるまで 他

戦争体験とスタンダールがこの作家を生んだ。昭和という時代の雰囲気と人間の本性を正確に伝える知性の文学。

月報=青山七恵、大林宣彦 年譜=花﨑育代 帯装画=今日マチ子

19: 石川淳 紫苑物語 他

辻邦生 安土往還記

丸谷才一 横しぐれ 他

この三人を通底するのはモダニズムという原理である。今の我々の文学はまずもってこの原理の上に成立している。

月報=鹿島茂、町田康 年譜=中条省平 帯装画=古賀春江

20:吉田健一 文学の楽しみ ヨオロツパの世紀末 他

批評という文学形式において近代日本が生んだ最も価値ある二冊。その傍らに巧緻な翻訳と機略の小説、洒脱のエッセーを配する。

月報=松浦寿輝、柴崎友香 年譜=島内裕子 帯装画=林哲夫

21:日野啓三 向う側 他

開高健 輝ける闇 他 

現代の日本は他の国々に通じ、海の向こうの戦争や、世界観・宇宙観を共有するようになった。我々は今もこういう時代に生きている。

月報=奥泉光、角幡唯介 年譜=千野帽子 帯写真=Dayanita Singh

22:大江健三郎 人生の親戚 狩猟で暮したわれらの先祖 他

この人の作品世界は広いのでなかなか全容が見えない。政治と理想、女性原理、辺境などの糸で織ったタペストリー。

月報=中村文則、野崎歓 年譜=尾崎真理子 帯装画=できやよい

23:中上健次 鳳仙花 半蔵の鳥 他

辺境は実は世界の中心である。熊野を舞台に、欲望・悲しみ・憤り、すなわち人間の本然を書いた作品群を再構成し、彼の小宇宙を現出する。

月報=東浩紀、星野智幸 年譜=市川真人 帯写真=蜷川実花

24:石牟礼道子 椿の海の記 水はみどろの宮 他

名作『苦海浄土』を背後で支えていたのは古代以来の人の営みと幸福であった。美しい文体がものがたる反近代の思想。

月報=多和田葉子、小野正嗣 年譜=阿南満昭 帯装画=クサナギシンペイ

25:須賀敦子  コルシア書店の仲間たち 他

我々は海外の書を読むだけでなく、海外で暮らすところから生まれる文学を得た。それがなぜかくも豊饒な作品に結実したのか。

月報=長野まゆみ、福岡伸一 年譜=松山巖 帯装画=村橋貴博(guse ars)

26:近現代作家集 1

27:近現代作家集 2

28:近現代作家集 3

久生十蘭 金子光晴 岡本かの子 安岡章太郎 井上ひさし 安部公房 川端康成 村上春樹 津島佑子 筒井康隆 他

この百年の間に書かれた傑作、今こそ読むに価する名作を、もっぱらモダニズムの尺度から選んで供する。

1/月報=荒川洋治、中島京子 帯装画=草間彌生
2/月報=加藤典洋、斎藤美奈子 帯装画=シシヤマザキ
3/月報=池澤春菜、山本貴光 帯装画=池田学

29:近現代詩歌

 詩 池澤夏樹 選[新釈]

 短歌 穂村弘 選[新釈]

 俳句 小澤實 選[新釈]

詩はいつでもどこでも文学の中心。詩や短歌や俳句はむずかしいという先入観を一掃するセレクションを実現しよう。

月報=北村薫、アーサー・ビナード 帯装画=松井一平

30:日本語のために 

おもろさうし マタイ伝 日本国憲法前文 他 一部新訳

日本文学の定義は日本語で書かれていることである。言語と文学の関係を明らかにするための実例と日本語論を幅広く集め、豊饒の由来を明らかにする。

月報=鷲田清一、柴田元幸 帯作品=大原大次郎/ホンマタカシ


完結によせて

回帰と再出発

この島々で一千三百年前から書かれてきた文芸作品の数は知りようもない。その中からよきものを選んで三十巻にまとめる。
むずかしい古典は現代語に訳し、近現代の作となめらかにつながるようにする。
この仕事を終えてぼくは日本人の性格の要点を知ったという気がしている――
一 自然すなわち神々への畏怖の念、
二 常に恋を優先するという生きかた、
三 弱き者に心を寄せる姿勢。
今、ぼくたちはこういう日本人ではなくなってしまったかもしれない。
ならばそこへ戻ることを考えてみよう。
近代の作家・詩人の苦闘もみなそこへ帰りたいという思いを含んでいたのではないか。
回帰と再出発、その起点がここにある。

池澤夏樹

日本文学全集宣言 池澤夏樹

はるかな昔、大陸の東・大洋の西に連なる島々に周囲各地から人が渡ってきた。彼らは混じり合い、やがて日本語という一つの言葉を用いて生活を営むようになった。
この言葉で神々に祈り、互いに考えを述べ、思いを語り、感情を伝えた。詩が生まれ、物語が紡がれ、文字を得て紙に書かれて残るようになった。
その堆積が日本文学である。

特徴の第一はまず歴史が長いこと。千三百年に亘って一つの言語によって途切れることなく書き継がれた文学は他に少ない。
第二は恋を主題とするものが多いこと。われわれは文章によって人間いかに生くべきかを説く一方で、何よりもまず恋を語ろうとした。
第三は異文化を受け入れて我がものとしてきたこと。ある時期までは中国文明の、ある時期から後は西欧の文明によって文学を更新した。

今の日本はまちがいなく変革期である。島国であることは国民国家形成に有利に働いたが、世界ぜんたいで国民国家というシステムは衰退している。その時期に日本人とは何者であるかを問うのは意義のあることだろう。
その手がかりが文学。なぜならばわれわれは哲学よりも科学よりも神学よりも、文学に長けた民であったから。

しかしこれはお勉強ではない。
権威ある文学の殿堂に参拝するのではなく、友人として恋人として隣人としての過去の人たちに会いに行く。
書かれた時の同時代の読者と同じ位置で読むために古典は現代の文章に訳す。当代の詩人・作家の手によってわれわれの普段の言葉づかいに移したものを用意する。
その一方で明治以降の文学の激浪に身を投じる。厳選した作品に共感し、反発し、興奮する。

私は誰か? 日本文学はそれを知る素材である。

池澤夏樹一九四五年生まれ。作家・詩人。八八年『スティル・ライフ』で芥川賞、九三年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、二〇一〇年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、一一年朝日賞、ほか多数受賞。他に『カデナ』『アトミック・ボックス』など。

推薦のことば

面白く、自然に
大江健三郎

この全集は半分近く、近代(漱石に始まる)より前の日本文学を、翻訳でおさめている。最初の翻訳者は『古事記』の面白さを生かす最良の人、池澤夏樹さんで、『源氏物語』はじめ、実力派の小説家たちが力をそそいでいる。近代以降の文学も、多様に選ばれていて、その後を、先の翻訳者たちが継いでゆくこともはっきりわかる。
読者は、翻訳の面白さを楽しみ、自然に日本語の文学の全体と向かいあう。


感動をどれほど味あわせてくれるだろう
阿川佐和子

あるとき私は知った。百人一首にある「あひみての のちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり」の意味はつまり、「一度セックスしちゃったら、それ以前の恋する思いなんて、なんにも考えていなかったのと同じだわ」ということだと。なんだ、今の時代の恋心とちっとも変わらないんだ。そのことに気づいた瞬間、千年を隔てた平安時代がたちまち身近になり、頭の中で十二単を着ているお姫様がいきいきと動き出した。
このたび刊行される日本文学全集は、そういう感動をどれほど味わわせてくれるだろう。楽しみである。


全巻解説=池澤夏樹