出版社内容情報
【この本の内容】
伊能図の基本図である「大図」214枚と「江戸府内図」を、
現代の地理院地図とリンクさせた画期的なデータベース。
測量線、地名、測量日記などをGISソフトを駆使して解析加工編集可能。
監修のことば
日本における近代地図の歴史は、約200年前に伊能忠敬が全国をくまなく実測して作成した伊能図から始まります。この精緻な紙地図を電子化するとともに、地名や測量日記などの付随情報をデータベース化して可視化や高度な分析を行えるようにしたのが、『デジタル伊能図』です。データの提供はShape形式ですので、ユーザーは地図太郎をはじめQGISやArcGISなど汎用GISソフトで難なく操作でき、さまざまな地理空間分析を自在に行えます。
『デジタル伊能図』は、日本における地理空間データの歴史的な礎であり、地理学や歴史学は言うに及ばず、測量学、都市計画学、土木工学、地球化学などさまざまな分野で今後の応用研究が期待される未開拓の宝の山です。日本に限らず、19世紀初頭における国土全体を精密にデジタル化した大縮尺のベクター地図、ラスター地図は世界的にみても例がなく、画期的なデータです。海外の研究者からも注目を集めるに違いありません。
(監修者:村山祐司・筑波大学教授)
操作イメージ(youtube動画)
特徴
1.地図解析に必須のベクター/ラスターデータを完備。
日本全国を網羅した伊能図のすべての測線(海岸線や街道)をベクターデータ化。伊能図は化学的実測地図としては規模的に最古。
2.汎用GISソフトで自在に分析できるシェープファイル。
基本データはシェープファイルで搭載。データの加工編集やデータ解析が、地図太郎、ArcGIS、QGISなどで可能に。
3.伊能図と地理院地図を正確に重ねて比較できる。
伊能大図のラスター画像は「元図」と、現代の地理院地図に合わせて幾何補正した「補正図」を搭載。第10次測量の「江戸府内図」も搭載。
4.地名約3万5千件がローマ字とともに網羅的にデータ化。
全国の町村名・社寺名・山や河川や島などの自然地名をすべてベクターデータ化。
5.多角的研究に役立つ「測量日記」をデータ化。
国宝指定された「測量日記」を原書画像とともに本邦初のテキストデータ化。(書下し文)。宿泊地と時系列にリンク。
【著者紹介】
村山 祐司 (ムラヤマ ユウジ)
筑波大学 生命環境系 地球環境科学専攻・空間情報科学分野教授。専門はGIS、空間分析、都市地理学、交通地理学など。最近の研究に、明治大正昭和初期の統計データの電子地図化などがある。
-
- 和書
- 屍者の帝国 河出文庫