内容説明
教科書よりもわかりやすいフロンティア精神あふれるオランダ。
目次
はじめに 「水」でつながるオランダと日本
オランダの4つのひみつ
プロローグ 日本とのつきあいが最も長い西洋の国
1 祖国ができる以前
2 自由のための戦い
3 黄金時代の到来
4 共和国の終わり
5 ネーデルラント王国
6 「寛容な国」の行く末
著者等紹介
水島治郎[ミズシマジロウ]
1967年、東京都生まれ。千葉大学大学院社会科学研究院教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門はオランダ政治史、ヨーロッパ比較政治。著書に『反転する福祉国家‐オランダモデルの光と影』(2012年、岩波書店、損保ジャパン記念財団賞受賞)、『ポピュリズムとは何か』(2016年、中公新書、石橋湛山賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まえぞう
19
シリーズ18冊目はオランダです。ハプスブルグ家が確保した地域ですが、スペインからもオーストリアからも離れていて、独立、通商国家として発展します。ただし、王様をわざわざ外国から連れてきているのはよく理解できません。オランダは一地方の名前なので、各国にネザーランドと呼称するように要請していますが、日本には、過去の経緯もあってオランダという呼び名も容認するとしているそうです。2023/08/12
たかぴ
6
オランダってどんな国だったっけ?と手に取る。 大国に挟まれてながらも自国の特産物が少なく、ライン川の出口という交通の要所だと打てる策も限られてくる。 土地の低さと寛容、非寛容の流れも面白い、2023/09/10
Tomozuki Kibe
5
簡単にわかるオランダ史。ブルゴーニュ公の伸長に伴い中央集権へ。だが自治は残す。フェリペ二世の弾圧が戦争を招き、ついに独立に至る。ユダヤ人を採用して経済発展を遂げる。仏革命でバターフ共和国→ナポレオン弟の王国へ。ただし彼の融和政策に業を煮やしたナポレオンにに、1830年にはベルギー独立するがザクセン王家がベルギー王に、オランダの軍事侵攻は仏が間に入って阻止155P ウィーン体制ではオラニエ公が国王148Pに国王権力は1848年の憲法改正で緩む156P 新教旧教自由主義社会主義がかみ合わず併存する柱状化社会へ2024/07/02
古谷任三郎
5
オランダといえば風車のチューリップとのイメージが極めて強い。だが、日本史を学べば、江戸時代に日本と最も交流の深い国であったし、明治時代はオランダの治水技術を参考にしたし、太平洋戦争でも戦い合った歴史を持つ。個人的にオランダ史は、東インド会社を代表されるように海洋帝国として覇権を握った17世紀よりも、近現代史の方が面白い所だ。女王が3代と続き、2度の大戦では中立を保ち、柱状化社会やオランダモデルなどの社会体制は学べる所が多い。今移民問題で悩まされているオランダだが、日本も同じ轍を踏まない様にしたい。2023/10/15
スターライト
5
スピノザからの流れで、オランダの多極共存型社会がどのように成立したのかに興味があり着手。ヨーロッパの国なので、多民族・宗教が同国に与えた影響は大きく、国家自体も王政と共和制の間を揺れ動きながら推移していった様子が理解できた。言われるまでもなくオランダは、鎖国体制にあった江戸時代の日本で唯一交流が続いた国。日本との関りも深く、まさか東京の八重洲がオランダ由来のものだということを本書で初めて知った。2023/09/23