出版社内容情報
美しいステンドグラス、聳える尖塔、キリストの物語を綴る彫刻。キリスト教会建築の歴史を知ることは、西洋建築史の理解につながる!
内容説明
たび重なる戦争・侵略、自然災害、疫病の流行。人々がキリスト教会堂にこめた篤き思い!!心の平安のよりどころとして地上に現出した神の恩寵に充ち満ちた空間「教会堂」。その歴史と成り立ちをくわしく解説。古代から現代までを読みとく決定版!
目次
古代・中世・ルネサンスの教会建築(教会建築の誕生―バシリカ形式と集中形式;ビザンツ建築―古代建築最後のきらめき;地方性豊かなロマネスクの教会建築;ゴシックの光―サン・ドゥニ修道院長の新たなコンセプト;完全性をめざしたルネサンスの教会建築;ゴシックとルネサンスの融合と衝突)
宗教改革とカトリック改革以後の教会建築(プロテスタント諸派の教会建築;イエズス会の教会建築;教皇のバロック―ベルニーニとボッロミーニ;新古典主義の教会建築;ゴシック・リヴァイヴァル;現代建築運動と教会建築)
著者等紹介
中島智章[ナカシマトモアキ]
1970年、福岡市生まれ。1993年、東京大学工学部建築学科卒業。1998~2000年、ベルギー・リエージュ大学留学。2001年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。2005年、日本建築学会奨励賞受賞。現在、工学院大学建築学部建築デザイン学科・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
262
著者の中島智章氏は建築家・工学院大学建築学部教授。本書は手軽に入手できるが、内容はなかなかに周到で初期のキリスト教会建築から現代までを、実に要領よく、かつそれぞれの建築様式がよくわかるように述べられている。また、写真も効果的だ。ビザンツ建築を代表するノハラヴェンナのサン・ヴィターレ教会堂からはじまって、ロマネスクの聖堂(シュパイヤー大聖堂他)へ。そしてゴシック(ミラノのドゥオモなど)、ルネサンス(フィレンツェのドゥオモ)、ベルニーニとボッロミーニのバロック(サン・ピエトロ寺院などローマにはいくつも)⇒2025/04/15
takakomama
5
教会建築の初期から、ロマネスク、ゴシック、バロック… 近現代までの歴史の概略と作例の紹介。写真が多いのが良いです。ミサのために集まり、洗礼、結婚、葬儀と人生の節目に関わる教会は、信徒の心の拠り所なのでしょう。社会人講座「フランスの歴史や建築、芸術」の予習と復習。2023/11/29
ざっくば
3
各時代ごとの教会建築の特徴がわかり面白い。ただし学習参考書では無いため、図による解説はほぼ無い(写真はたっぷりだが…)&著者が語りたいこと重視。興味本位で読むには難解な箇所が多く、ネット検索しながら少しずつ読み進めた。ちょっと骨が折れたものの、建築物の「その形が採用された背景」、これが解ると俄然楽しくなる。個人的には、立方体にドームを載せる大変さ(ペンデンティヴ・ドームとスクウィンチの違いも)や、フライング・バットレス(名前格好いい!けど自分はあの見た目好みではない…)の効果が解り面白かった。2022/04/20
めぐみこ
3
古代末期の初期キリスト教時代から現代にいたるまでの教会建築を、歴史の流れに沿いながら解説。用語がカタカナが多くて、難しいというか覚えきれないというか、私が手を出すには基礎知識が足りなかった。無念。2021/07/22
うさ公
3
その辺の本屋さんに置いてあって速攻で買いました。たくさんの写真を使って、古代から現代までを歴史に即して広く浅く紹介しています。サンタマリアマッジョーレが1番好きです。なので写真が出てくるたびに嬉しかったです。またローマ行きたいなぁ。初めてサンタマリアマッジョーレに入った時、あまりに綺麗でちょっと涙が出ました。2021/04/02