出版社内容情報
小国ながら世界史上に大きな存在感を放つオランダ。低地ゆえの水との戦い、大航海時代の繁栄など、その多彩な歴史を描き出す。
内容説明
技術と経済力で繁栄を極めた「小国」の興亡。低地国土ゆえの水との戦い、スペインへの反乱、大航海時代の光と影など、日本とも縁の深い国オランダの多彩な歴史をグローバルに描き出す、決定版通史。
目次
1章 水と戦い、水と共存する国民
2章 古代ローマからフランク王国へ
3章 中世のオランダ
4章 八十年戦争からオランダ共和国の誕生へ
5章 黄金時代のオランダ
6章 黄金時代の経済と文化
7章 衰退の18世紀からネーデルラント王国の成立へ
8章 19世紀以降の近代国家への歩み
9章 20世紀のオランダ
著者等紹介
佐藤弘幸[サトウヒロユキ]
1941年、小樽市生まれ。東京外語大学名誉教授。専攻はオランダ語、オランダ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
30
図書館本。ベルギーの歴史を読んだのでその関連で興味を持った。もっと知りたいと思った人物はオランィエ公ウィレム一世。カール五世の信任は厚かったが息子のフェリペ2世には、反旗をひるがえした。フェリペ2世の死後スペインハプスブルク家は凋落していくのだが、低地地方での統治の仕方からもその予兆が感じられる。現在のオランダ国王家は、このオランィエ・ナッサウ公ウィレム1世の子孫に当たるので500年近くの歴史ある一家なのだなぁと初めて知った。また、オランダが歴史上最初のヘゲモニー国家だったことに驚いた。2020/12/04
kri
7
「フェルメールの食卓」からオランダにめちゃくちゃ興味が湧き、お勉強。この小国(九州程度の面積、しかも1/4が湿地)の濃密な歴史に益々はまった。大国に近接する地ゆえの苦心と利益。戦争に次ぐ戦争の最中、大航海に挑みのし上がる商人たちの逞しさは圧巻。世界最初のヘゲモニー国家となる17世紀こそ文化的にも花開いたオランダ。一方アジア、アフリカ、南米に対する過酷な収奪ぶりは世界経済の悪しき先鞭であったのかと驚く。現在のオランダを見ても、様々なことで先進的なのは国民性かと、歴史を学んで感じた。マイブームはまだ続くなー。2020/12/10
桜花
2
江戸時代に鎖国状態でも唯一貿易をしていたくらいしか覚えていませんでした。 オランダの歴史はやはり水の歴史ですね。 それに植民地への苛烈な収奪も国や東西を問わないよう。 王家も思ったより歴史が浅い。2019/06/28
たっつみー
1
人の住めない湿地から交易の要衝、そして世界初のヘゲモニー国家となるもその後は凋落して慎ましい小国へ。遠大な治水の歴史や世界をまたにかける様子が楽しい。名誉革命はオランダにとってはあまり意味のないことだったのは意外。国内の比較的自由な風土とは一転して、インドネシアへの植民地支配は過酷。インドネシア内の紛争や貧困の原因はこの時代に繋がっていることが多そう。2022/02/22
green
1
物語オランダの歴史 と併せて読むことで理解が深まった。オランダに興味ある人にはおすすめの2冊。2021/05/11