出版社内容情報
傑作絵画でよむ新約聖書。イエスとは何者か。神の国運動とは何だったか。どのように世界史の檜舞台に躍り出たのか。原初の謎に迫る。
山形 孝夫[ヤマガタ タカオ]
1932年生まれ。宗教人類学者。東北大学文学部宗教学科大学院博士課程中退。宮城学院女子大学名誉教授。『砂漠の修道院』で日本エッセイストクラブ賞受賞。『聖書の起源』(筑摩書房)、『聖書物語』(岩波書店)等、著書多数。
山形 美加[ヤマガタ ミカ]
内容説明
イエスはなぜ殺害されねばならなかったのか。キリスト教がローマ帝国の桧舞台に躍り出るまでの経緯を生き生きと描きだし、福音書物語の原初の謎に迫る。
目次
第1章 天使の告知
第2章 イエスの誕生
第3章 バプテスマのヨハネの登場
第4章 神の国運動の開始
第5章 神の国運動の展開
第6章 遍歴のカリスマ
第7章 受難物語―最後の一週間
終章 復活の証人と神の国運動の行方
著者等紹介
山形孝夫[ヤマガタタカオ]
1932年、仙台に生まれる。東北大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。同大学院博士課程単位取得。専攻は宗教学。現在、宮城学院女子大学名誉教授。著書に、『砂漠の修道院』(平凡社ライブラリー・日本エッセイストクラブ賞)など
山形美加[ヤマガタミカ]
女子美術大学絵画科(版画)卒業。多摩美術大学大学院美術研究科(版画)修了。東北大学大学院文学研究科(美学・西洋美術史)修了。現在、イタリア・シエナ大学留学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねこさん
20
メタファーを調べる根気もなく、かといってキリスト教そのものへの無知が露見したことを放置したまま読み進められずに挫折した『競売ナンバー49の叫び』や『ツァラトゥストラ』の再読準備でもあり、ヘッセやバッハへの接近の欲求のために糸口としての絵画と考えて読んだのだけれど、やはり読み手に必要な信仰を伴う理解が不十分で、全体像と細部の量感が掴みきれなかったというのが雑駁な印象。『主の祈り』の一節にある「わたしたちの負債(負い目)」という感覚の共有があれば起こり得ないことが、今もこれまでも起こっていることがやるせない。2018/04/13
こぽぞう☆
17
図書館本。図版に惹かれて借りたが、文章の方もとても良かった。聖書そのものを読もうとして何度も挫折した身としてはとても嬉しい。もっとも、なんで聖書を読みたいか、といえば西洋美術、西洋文学を理解したいからなんだけど。図版は、この手の本にありがちな有名どころだけでなく、知らない画家も多く大収穫。2017/05/08
おおた
15
聖書のエピソードは知っているようで、通して読んでないから関連性がいまいち見えない。そんな時に一通り解説がありつつ、さらに名作の絵画によって視覚的な部分を補うことで物語が強化される。慣れ親しんだ表記と少しちがうところがあるのは戸惑う(ルーベンス→リュベンス)が、丁寧に対応関係を解説してくれるので、本書に目を通してから聖書を読むとより印象が強くなるのでは。2018/10/08
YJ
5
図説込みで断片的に理解はできるけど、内容が難解で難しかった。福音の部:マタイ福音書、マルコ福音書、ルカ福音書、ヨハネ福音書。使徒の部:使徒行伝、パウロ書簡、公同書簡。2017/05/29
桜花
2
キリスト教の新約聖書を解説している本です。宗教絵画も一緒に解説されていてわかりやすかったです。何冊か聖書の解説本を読んだことはありました。でも歴史的事実と矛盾するにも関わらずキリストが出身にこだわったのには気が付きませんでした。コラムもわかりやすく香油の重要性もわかりました。キリスト教だけが重要視しているわけではないんですね。2017/04/27