出版社内容情報
アジアはまさに文字の宝庫。インド系文字、アラビア文字、漢字と漢字系文字、ラテン文字・キリル文字にわけて、ビジュアルに解説。
【著者紹介】
人文社会系唯一の大学附置共同利用研究所。アジア・アフリカの言語文化に関わる諸分野を専門とする所員が、各々の専門に応じた研究を進めると共に、国内外の研究者との共同研究を展開。
内容説明
ブラーフミー文字、ベンガル文字、タミル文字、チベット文字、クメール文字、ビルマ文字、ハングル、アラビア文字、漢字、チュー・ノム、西夏文字、契丹文字、トンパ文字…さまざまな文字のかたちとその歴史。「文字の宝庫」アジアをめぐる道案内。
目次
インド系文字―多様性の中の統一(多様なインド系文字;街なかにあふれる文字 ほか)
アラビア文字―神が線を引き、人が点を打った(アラビア語とは何か;文字の拡張 ほか)
漢字と漢字系文字―象形文字の子孫たち(漢字の歴史;何が「漢字らしさ」となるのか? ほか)
ラテン文字・キリル文字―ヨーロッパからのアジア文字(キリスト教布教のための導入;強い影響力をもつ言語からの導入 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
18
外大のAA研がアジアの文字をざっとご紹介します!という感じの本。インド系、アラビア文字、漢字系、ラテン・キリルアルファベットとその系統がどう発展して伝わったかを紹介してます。インド系はブラーフミーからこう発展したんだよーということで主要インド系文字一覧はこれが同じ文字から発展したの?と思うような違うデザインになっててもよくよく見ると規則性は同じじゃん!とか分かるようになってて面白いですよ。西夏研究の荒川慎太郎とかチベット研究の星泉とかその筋の第一人者の一人に目される人も入ってるので、その辺は詳しく書い(続2014/02/27
びっぐすとん
15
図書館本。アラビア文字、インド文字、漢字を源流とする様々なアジアの文字の紹介。模様のように丸々とした可愛いインド系の文字、宗教と結びつき美しさの追求を究めたアラビア文字の壮麗さ、馴染み深い漢字と似て非なる西夏文字や契丹文字。いずれも言葉という形の無いものを残したい、伝えたい気持ちが生んだもの。現在では読めなくなってしまった文字も解読されればいいなあ。日本人でアラビア文字の書道家がいることを知り、驚いた!2019/09/26
ちゃこ
8
アジアの様々な文字を紹介している本。インド系文字,アラビア文字,漢字と漢字系文字,ラテン文字・キリル文字。文字のしくみや変化、書体など。 タイトルの通り「入門書」なので、全く知識のない私でも分かりやすかった。初めて目にする文字も多く、読めないけれども見ていて楽しめた。アラビア書道というものも初めて知りました。2014/03/11
Akihiro Nishio
7
カンボジア・タイ語をかじっている関係で、インド系文字の仕組みは知っていたので興味深く読めた。ブラーフミー語が各地に伝播し、変化していった課程がわかって良かった。しかし、クメール文字はインド系文字の中でも難しい方じゃなか!タイ文字はクメール文字から簡略化されているが、子音がさらに増えると聞いて萎えた。会話だけで、文字には深入りしないでおこう。2015/11/03
アドソ
6
アジア諸国・諸地域で使われている文字を、デザイン総覧のように紹介した本。人が文字を発明する能力って無限なんじゃないか、と思わせる。中国で使われている(いた)字も、漢字ばかりじゃないんだな。西夏文字とか、ちょっと夢にでてきそう。2014/09/20