ふくろうの本
図説 平泉―浄土をめざしたみちのくの都

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  • サイズ B5判/ページ数 163p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309762036
  • NDC分類 212.2
  • Cコード C0321

内容説明

藤原清衡は「北方の王者」であることを宣し、みちのくの中央に「中尊寺」を建立した。藤原三代が願った「浄土」とは?黄金伝説の謎を解く。文化史から「平泉」を見つめ直す斬新なストーリー。

目次

序章 ユネスコ精神を実現しようとした文化が、九〇〇年前、みちのくにあった
第1章 浄土をめざすまで
第2章 浄土実現へのみちすじ
第3章 平泉開府と中尊寺
第4章 金色堂の謎を解く―清衡はなぜ金色堂に眠っているのか?
第5章 自然美の浄土―毛越寺と無量光院
第6章 平泉の残照
ガイド 平泉を歩く

著者等紹介

大矢邦宣[オオヤクニノリ]
1944年岩手県一戸町生まれ。東京大学文学部史学科卒業。民間企業、岩手県立博物館勤務、盛岡大学文学部教授を経て、現在、平泉文化遺産センター館長、盛岡大学客員教授。岩手県文化財保護審議会会長、岩手史学会会長を歴任。「平泉の文化遺産」世界遺産登録推薦書作成委員として、世界遺産登録を実現。引き続き拡張登録検討委員を務める。2012年度岩手日報文化賞受賞。研究分野は、日本文化史、文化財学(宗教文化)、平泉文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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組織液

13
この間平泉に訪れたのですが、その前に参考になるかなと読んでみました。ふくろうの本シリーズで日本史モノを読むのは初めてですね。まず同シリーズの中でも相当充実してる内容に驚き。著者の平泉への情熱や愛情がたっぷりと伝わってきます。弥勒下生に復活を賭けた清衡…頼朝の武家政権確立と「宿意」のために滅ぼされた平泉…悲しいなぁ…。平泉、特に毛越寺なんかは玄人向けの観光地に感じたので、絶対にこの本読んでから訪れたほうが何倍も楽しめると思いました。2023/09/14

takao

2
ふむ2021/06/03

sigismund

2
文化財、史料、思想などに根差した論証と、大陸とみちのくを繋ぐ大胆な補助線、仮説、平泉のすべてを網羅した決定版。ユネスコ憲章の精神と平泉の根本思想からはじまり、著者の描く平泉論は日本のみにとどまる平泉論ではなく、広く西域やシルクロードをも見据えた平泉を論じている。また、巻末に『中尊寺建立供養願文』の全文が注釈付きで掲載されているのがうれしい。『中尊寺経』の見返し絵や金銅華曼を眺めると、京都や奈良をも凌ぐ悠久の都平泉が眼前に浮かぶ。平泉へ行く際はこの本だけ携えて巡って見ると良いかもしれない。2013/06/09

天茶

1
★★★★★ 平泉の全てが詰まった一冊。それと同時に平泉の世界遺産登録に尽力した故大矢邦宣先生の遺作。仏教的観点を中心に平泉の寺院や遺跡、文化財を解説。所々でユネスコ精神と関連づけてもいる。その上で平泉は西から伝わった仏教と日本古来の自然信仰が合わさった「自然美の浄土」と位置付ける。しかし本書の根本テーマは奥州藤原氏がめざした差別や偏見を乗り越えた平和な「浄土」とは何かであり、その理想の実現は今の私達に継承されているという点であろう。後書きにある通り著者の研究の総決算にふさわしい熱い思いが伝わってくる。 2020/07/30

1
平泉といえば中尊寺のイメージだけど、平泉が黄金文化を形成するまでの成り立ちから現在までの歴史がぎっちりと収められている。金色堂・毛越寺・庭園・聖山にもみっちり説明があり、お経あたりはもう頭に収まらない。図説なので写真は多いが、文字も多く、愛と情熱がたっぷりの本。自分好みの仏さんが多いので、平泉にゆっくりと回ってみたくなる。2013/09/29

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