内容説明
皇帝から科学者までを虜にし、さまざまな産業や文化発展の底力ともなった、錬金術の真実の姿とは?その歴史や理論、実践法などを最盛期である16・17世紀を中心に、歴史の謎を明らかにする。本邦初公開図版多数。
目次
第1章 錬金術の基礎技術(産業と錬金術;錬金術の実験室;大いなる作業;『沈黙の書』)
第2章 錬金術の歴史(アラビア錬金術の登場;中世修道院における実践;ルネサンス魔術とパラケルスス;錬金術師プラハ;薔薇十字錬金術;化学派の錬金術)
第3章 錬金術の理論と実践(ヘルメス・トリスメギストスの「エメラルド板」;錬金術の象徴と記号;調和する宇宙;錬金術の実験;アンチモンと緑ライオン;赤い王と賢者の石)
第4章 ロマン主義からモダニズム芸術へ(ベーメのキリスト教神智学;ロマン主義と錬金術;モダニズム芸術と錬金術;『ロスト・シンボル』の「密儀の手」)
著者等紹介
吉村正和[ヨシムラマサカズ]
1947年、愛知県生まれ。1974年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。名古屋大学教授を経て、名古屋大学名誉教授。専攻は、近代ヨーロッパ文化史、西洋神秘思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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naimon
12
「化学」になる前の技術、錬金術。物質の構造が不明瞭なまま、神秘・秘密主義に進んだため、今では胡散臭い学問とみなされがち。科学の正史には載っていない、危険と隣合わせの実験の歴史を丹念に。ニュートン、ボイル、マイセン磁器は錬金術と関連アリ。カラー図多し。2012/07/30
天々
4
好きな世界だけど難しすぎてさっぱり。我ながら苦笑ものだけど、やっぱり好き2014/10/31
Masaki Takise
2
上にあるものは下にあるものの如く、下にあるものは上にあるものの如く。エメラルド・タブレットについても詳しく記述されていて実に興味深い。物質を黒化、白化を経て金へと昇華する様はまるで自分の心を磨く修行のようにも思える。自己啓発本として読むのもアリ。世界の見え方が変わるかも?2012/08/06
こず。
2
錬金術の歴史や理論等を一通り取り上げられている印象を受けた。しかし現代人の私にとっては錬金術の理論が頭の中にさっぱり入ってこなかった(汗)。当時の人達だったら理解できるのかな…。錬金術が近代化学へ発展していく過程が興味深かった。学生時代に名前が出てきたボイルさん、実は凄い人だったんですね!2012/05/26
takao
1
ふむ2021/11/02