内容説明
好奇心と冒険心に突き動かされ、男たちは船に乗った。その先に待つ苦難を乗り越え、アジアとヨーロッパをつなぎ、ダイナミックな世界図を描き出した。グローバルな視点に基づいた、新しい「大航海時代」論の決定版。
目次
第1部 未知なる東方へ―つながるヨーロッパとアジア(陸の道と海の路;地中海世界とインド洋;インド洋世界の発展;騎士・商人・伝道者)
第2部 大航海時代(ジェノヴァとポルトガル;コロンブスとインディアス;ポルトガルのアジア進出;香料諸島をめぐる争い;大航海時代と近代世界)
著者等紹介
増田義郎[マスダヨシオ]
1928年、東京生まれ。東京大学教授を経て東京大学名誉教授。専攻は文化人類学、イベリアおよびイベロアメリカ文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
大航海時代だけでなく、それに至るまでの世界の貿易の雄大な流れも丹念に描くことで「大航海時代」という西洋中心主義的な概念を相対化し、それだけでなくより適切にその意義と革新性も描いている。 鄭和の大航海を引くまでもなく、非西洋でもインド洋やアフリカまでまたがる貿易ネットワークは確立されていたし、むしろその歴史において、ヨーロッパはどちらかと言えば従属的な位置づけに過ぎない。 だが、大航海時代の冒険者達は自分たちの世界から飛び出た「全く新しい世界」を開拓する喜びと冒険者精神を謳歌できた。それが近代を準備したのだ2014/09/06
ピオリーヌ
4
やっぱ概説書はさくさく読めていいなあ。改めて大航海時代の中での、1415年のポルトガルによるセウタ攻略の重要性を実感する。2018/09/22
ぱに
3
この著者が「大航海時代」の名付け親なのか!確かに英語で大航海時代って言わないもんなー。あと、結構この時代って、個人的には南米なイメージがあったけど、全然そんなことないってかむしろアジアが大事だった。ホント知識がなさすぎたので、時代の定義も知らなかったし(1492年頃からかと思ってた。1415まで遡るとは!)、ましてや終わりの時期なんて考えたことなかったな…。1648年か…。にしても初期のスペポル二強はすごすぎる。盛者必衰と悲しくなってしまった。2014/12/22
takao
2
ふむ2021/06/21
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2
1415年。いち早く国内のイスラム勢力を追い出したポルトガルがセウタ攻略。これを大航海時代の始まりとしている。その後ポルトガルは順調にアフリカ西海岸沿いに拠点を確保。1484年コロンブスが西の航海ルートを提案した時に拒否したのは、すでに西アフリカのルートを確保していたから。そこでコロンブスはスペインに行く。スペインは1492年にグラナダ陥落しレコンキスタ完了。コロンブスの案は採用が危ぶまれたが、莫大な費用をジェノヴァ商人とユダヤ人が「投資」する事で決着。こうしてコロンブスは西へ出航した。大変面白い。2020/08/02
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