内容説明
“建築は雄弁に時代を語る”。19世紀末~20世紀前半、帝政ロシア・日本・中国がくり広げた侵略・支配と抵抗のなかで、築かれ、営まれた四つの都市が、今、語り始める「満洲」の歴史。
目次
序章 帝政ロシアの極東政策
1 ハルビン―軍艦とアール・ヌーヴォー(鉄道と都市建設;国際都市へ ほか)
2 大連―満洲の玄関(帝政ロシアの切札、ダーリニー;ダーリニーから大連へ ほか)
3 瀋陽―フリー・クラシックと中華バロック(満洲族の故地;鉄道附属地と建築 ほか)
4 長春―日露の接点から首都へ(日露の接点;バロック的都市計画とアール・ヌーヴォー建築 ほか)
著者等紹介
西澤泰彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年、愛知県豊橋市生まれ。1983年、名古屋大学工学部建築学科卒業。1985年、東京大学大学院修士課程修了。1988~91年、中国北京・清華大学建築学院に留学。1992~97年、豊橋技術科学大学建設工学系助手。2001~03年、内閣府政策統括官(科学技術政策担当)付参事官補佐併任。名古屋大学環境学研究科都市環境学専攻助教授。第三回建築史学会賞受賞(1998年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぎじはしこ
1
小川哲著『地図と拳』を読み進めるための副読本として再読。 上記の作品では満州の各都市については詳しい説明が省かれていたが、帝政ロシアによる鉄道と都市の建設から始まる満州の都市開発の歴史がよく分かる。 作中に出てくるハルビン、大連、奉天(瀋陽)の建築物の写真からも各都市が辿った歴史の違いが伺えるし、作中長々と書かれていた建築についての描写もイメージしやすくなり、理解が深まる。 満鉄の日本人建築家についての記述もあり、『地図と拳』を読んだ後だと興味深い点が多い。2024/07/28
ユーラシア旅行社 中国シルクロード情報局
1
満州国についての歴史と、大連・長春等の都市を分かりやすく紹介。 2012/07/20