出版社内容情報
日本の「伝説」「古典文学」には妖しの美、幻想に満ちた禁断の世界が登場する。圧倒的な恐怖、妖艶な世界を描く絵画満載!
内容説明
日本人が長年語り続けてきた、伝説や古典文学を、その物語にまつわる絵画とともに紹介します。「安珍清姫伝説」や、「源氏物語」、「雨月物語」などの古典文学は、何百年間も語り継がれ、物語の場面やイメージを描いた絵画作品や挿絵も、多く残されています。令和となった現在も、若い画家が新たな感性で絵画化に挑戦しています。中世の絵巻や奈良絵本、江戸時代の草双紙や浮世絵、明治から昭和初期に出版された雑誌の挿絵、そして現代の画家が描いた絵画などとともに、豊かな伝承文学の世界を楽しみながら、日本の心に触れてください。
目次
第1章 異類の怪(異類の怪 狐;異類の怪 蛇;異類の怪 魚;異類の怪 雀;異類の怪 蜘蛛;異類の怪 鬼)
第2章 地獄と極楽(橘小夢による「地獄」と「極楽」)
第3章 霊魂の物語(源氏物語 夕顔の巻;源氏物語 葵の巻;平家の怨霊;雨月物語;牡丹燈籠)
第4章 両性具有の神(日本武尊;天照大神;神功皇后;出雲の阿国;白拍子)
第5章 日本の古典はボーイズラブの宝庫(稚児;世阿弥;武士の男色;歌舞伎の男色;男色大観)
著者等紹介
中村圭子[ナカムラケイコ]
1956年生まれ。中央大学文学部哲学科心理学専修卒業。弥生美術館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なつ
41
日常と離れた、不思議な世界を描いた絵画を数多く紹介。怪異と霊気渦巻く異界に始まり、人の魂の世界、果ては現代のボーイズラブに連なる古典文学まで! 異類婚姻譚もなかなか興味深い内容でした。絵巻物の時代から日本人は想像力が豊かだったのですね。今、弥生美術館で展示会が開催されているので、時間があったら訪れてみたいですね。2020/11/01
Nat
34
図書館本。予想以上に面白い本だった。日本の伝説や古典文学をその物語にまつわる絵画とともに紹介している。前に読んで興味を持っていた「箱入娘面屋人魚」の全ストーリーが紹介されていたが、人魚が女郎屋に売られた後の思いもよらない展開にびっくりした。「日本の古典はボーイズラブの宝庫」といった章立てもあり、興味深かった。稚児の解説では、私の卒論のテーマだった「秋夜長物語」が紹介されていたので、思わず感動!2023/10/01
あたびー
19
弥生美術館本。なのでまた高畠華宵多めです。日本の怪奇幻想界また歴史上のスタア達を描いた作品を紹介しています。表紙は御生進の「葵」。葵の上のもとに姿を現した六条御息所の生霊。衣の模様は蛇身を表す三鱗です。もっとこうした最近の作品も入ってくると良かったのですが。1/3がまたしても少年愛の話でした。どうしても高畠華宵が絡むとそうなってしまうのでしょうか。2020/07/03
真朝
11
表紙の絵を私は勝手に人魚かと思っていましたが、全然違いました。その表紙の絵も含めて、色んな奇想の国の人々の姿を見れて楽しかったです。美麗なものあり眼福でした。 BLの話も出てきて興味深くて元々日本は寛容なんだと再確認しました。 2020/11/02
組織液
10
眺めているだけで楽しい本でした。華宵好きにはたまらない一冊でしょうね。うーん雨月物語と今昔物語を一回通しで読んでみたい。2022/07/04