出版社内容情報
大正?昭和、子供の本の世界で活躍した画家・初山滋。流麗な線と繊細な色彩は、後人に大きな影響を与えた。画業をたどる完全ガイド!
内容説明
「私は絵と共に生き、絵の中に戯れて生きている」天才の画業、全軌跡をたどる初めての1冊!!
目次
第1章 みずえの世界
第2章 ユーモリストの仕事
第3章 線描の妙
第4章 造本の仕事
第5章 教科書
第6章 物語絵
第7章 版画―思いを彫る・願いを摺る
第8章 人間初山滋
第9章 資料室
著者等紹介
竹迫祐子[タケサコユウコ]
1956年、広島県生まれ。ちひろ美術館(東京・安曇野)主席学芸員。(公財)いわさきちひろ記念事業団事務局長。1984年より、いわさきちひろ絵本美術館に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
6
見るたびに心の奥深いところを柔らかく掴まれるような印象の初山滋さんの絵。さまざまな年代の作品を、心ゆくまで堪能する。色、線、フォルム、わたしの子ども時代の読書にも深く関わる挿絵の数々に、圧倒されつつも確かな満足感を持つ。モダニズム、ここに在り。2019/10/14
belle
2
初山滋の絵は岩波少年文庫「アンデルセン童話選上・下」の挿絵で特に親しんだ。もう古びて黄ばんではいるが今も手元で時おりの出番を待つ。画家について更に知りたくなりこちらを。この本は初山自身の「線」と題した文章から始まる。細い線のルーツを仏画や浮世絵などの血を引いているのではないかと語り、空想や夢が筆の線に乗って楼閣を築く、と記す。その美しく自由自在な線に色付けが施される。線と色が極まる。日本画的修行とその先のモダン。光輝く絵と紹介の光村図書小学校国語教科書。私は確か学校図書を使ったのでとてもうらやましかった。2020/08/20