目次
入門(可能性としての埴谷雄高(鹿島徹))
対談(『死霊』は復活する(島田雅彦;鹿島徹))
埴谷雄高コレクション(裁きの論理;二つの射殺;論理と詩の婚姻について―真継伸彦への返事;裂け目の発見―文学的小伝;宿り木の上の小鳥;穴のあいた心臓;全身小説家、井上光晴;落日の夢;戦後文学の党派性;小林秀雄と私達;政治と文学と・補足―吉本隆明への最後の手紙;新しいヴィジョン―『死霊』を書き続ける意味;45の質問;弔辞 武田百合子)
二一世紀の埴谷雄高(気分はいつも“ちぇっ!”―Taedium solum(長原豊)
『死霊』論―耆那大雄をめぐって(安藤礼二)
〈いか〉好きと〈蛸〉嫌い(人見敏雄))
埴谷雄高論集成(『あつは』と『ぷぷい』―埴谷雄高『死霊』について(武田泰淳)
作者への手紙―『不合理ゆえに吾信ず』(谷川雁)
埴谷雄高の政治観(鶴見俊輔)
存在の革命―政治の存在(菅谷規矩雄)
埴谷雄高と大森荘蔵(池田晶子))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たんかともま
3
神様的な存在、難解な存在としての埴谷雄高を人間埴谷雄高にしようとしている印象を受けた。特にインタビューに対する回答がキザながらも、面白く、また、どこかユーモアもあり、ちゃんと人間なのだとわかる。野球について語る文章は思想家・小説家というより、居酒屋などに居そうなオジサンの小言のようだ。本来ならば『死霊』に詰め込まれるはずだった思想が、政治論文やエッセイに散ってしまったのはやや残念だ。また、様々な人が読み方のヒントを書いてくれており、入門編、あるいは、再入門編として書物として最適。テーマごとに再読をしたい。2020/05/16
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
台湾に生まれ育ち「植民地で育つた人たちは、なんといつても、精神の二重構造を持つようになる」、22歳左翼運動で刑務所に入れられ孤独癖に目覚める。終戦時35歳病気危篤の意識不明で終戦を迎え目覚めたときすっかり変わった世界に驚く。戦前戦後じっくり育んだことを36歳から連載しはじめ42歳腸結核4年自宅療養など、中断すること26年、65歳から5章→85歳9章、そしてついに完成しなかったとも。言論統制や市民の暴力…平成という失なわれた戦争の次、令和の時代に読むことはかなり意味がありそう。生涯の渾身作「死霊」心して。2019/08/04
日野和南
1
吉本隆明に「これが君への最後の手紙だ」といってひたすら怒ってるだけの手紙を書いたり、血の気の多い気難しそうなひとだな!と感じました。怒りんぼなんですかね。不快故に吾信ずる2017/01/09
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