内容説明
昭和20~30年代の日本はまだまだ貧しくて、お金も物もない時代でしたが、夢見る力があふれている時代でもありました。そして、戦時下に封印されていた女の子らしいもの、可憐なもの、華やかなものが一挙に花開いた時代でもありました。本書では、そんな時代に生まれた少女雑誌が語りかけてくれる、少女たちの夢や憧れの世界を紹介します。
目次
1 みんなリボンをつけていた―雑誌の表紙・口絵・さし絵に見る昭和20~30年代の少女像
2 幸せを夢見る少女たちのドラマ
3 憧れのヒロイン
4 ほしいものは付録にあった
5 憧れの少女スター
6 おしゃれページの魅力
7 少女たちを魅了した雑誌の数々
著者等紹介
堀江あき子[ホリエアキコ]
1965年生まれ。弥生美術館学芸員。跡見学園女子大学文学部美学美術史学科卒業。1991年より現職。これまで担当した企画展に「江戸川乱歩の世界展」「懐かしの『少年倶楽部』展」「斎藤五百枝展」「松野一夫展」「江戸川乱歩の少年探偵団展」などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
56
【読メ乙女部】昭和20〜30年代の少女雑誌を中心に構成。いつも眺めていた大正〜昭和初期の少女雑誌とは違い、どことなく西洋文化の影響も感じる。松島トモ子が少女スターだったなんて知らなかった。ライオンに二回食われかけた人だという認識を改めたいです。バレエに絵読み物に可愛い付録。キラキラとした少女の憧れが詰まってます。母に見せたら懐かしがってました。少女漫画が隆盛になる前は絵読み物だったんですね。りぼんとなかよしが共に昭和30年創刊とは知らなんだ。とにかく可愛さいっぱいの一冊。2016/06/14
kaolu
2
自分の世代ではないのに、気持ちは少女時代へトリップしてしまう。この時代に描かれるやさしくて清らかで美しい少女像、好きだな。目次ページの絵がかなり気に入ってしまったのだけれど、藤井千秋という画家は初めて知りました。2016/06/30
猫耳
2
昔の少女雑誌は、まさに「乙女」で「ロマンチック」。リボンをつけた可憐な少女のイラストが、レトロかつ新鮮。松島トモ子さんがこんなに少女雑誌で活躍されていたとは知りませんでした。収録されている少女小説がまさにメロドラマで、時代を感じました。2014/06/10
みさみさ
1
昔の女子の作られ方がわかった。かなりレトロな内容がわかり、貴重な資料も載っていて、面白い。2021/03/18
アソビナコノカ
0
こういうレトロ少女画、結構好きだったりします。自分が少女だった時より、もっと前の戦後日本。まだまだ歪な時代の、いかにも極端なヒィクションで物語ったイラストや漫画や小説。これをマジに受け止め夢見ていた少女たちを想像すると吹き出しそうにもなります。その少女たちは今や60代や70代のおばあちゃん。すごいですねぇ。もっと驚くのが、あの橋田寿賀子さんが少女漫画の原作を手掛けていた。よく見ると書いてあるんですよ。結構な数で。2012/09/02