出版社内容情報
アフリカの沙漠の国の大統領が、4人の妻と愛人、有能な大臣、アメリカ、ソ連などとの駆け引きの結果、政権から逐われていく。アメリカ化する世界をアフリカの架空の国に投影した傑作長篇。
内容説明
北半分はサハラ沙漠、南の国境沿いに大河が流れるアフリカの内陸国クシュ。5年にわたる旱魃により飢餓に苦しむこの国を、クーデタで政権を奪ったエレルー大統領が支配する。アメリカ帰りの独裁者はイスラムの教義を信奉し、アメリカの援助を拒絶して独立国家として生きていこうとするが、4人の夫人と新しい愛人、先王エドゥムー4世、事実と数字の人間である内務大臣のエザナ、友邦ソ連の酔いどれ軍人などとの駆け引きの中で次第に自由を奪われていく。緑一色の国旗を翻して荒涼たる大地を経めぐる大統領のメルセデス。国境を越えて入りこむ7‐UpやCoca‐Colaなどのアメリカ文化。イッピ地溝帯にある「興味深い物質」とはいったい何なのか。コーランの朗誦が響きわたる冷戦時代のアフリカを舞台に、戦後アメリカ最大の作家が巧みに構築した物語。
著者等紹介
アップダイク,ジョン[アップダイク,ジョン][Updike,John]
1932年ペンシルヴェニア州に生まれる。ハーヴァード大学卒業後、雑誌『ニューヨーカー』のスタッフとして働きながら詩や小説を発表する。2冊目の長篇『走れウサギ』で作家としての評価を確立し、64年『ケンタウロス』で全米図書賞受賞。華麗な文章で現代社会の風俗を巧みに描き、戦後アメリカを代表する作家と目された。2009年没
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道帯広生まれ。埼玉大学理学部中退。88年「スティル・ライフ」で第98回芥川賞受賞。おもな小説に、『マシアス・ギリの失脚』(新潮社、谷崎潤一郎賞)、『花を運ぶ妹』(文藝春秋、毎日出版文化賞)などが、おもな評論・書評集に、『母なる自然のおっぱい』(新潮社、読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
ケイ
藤月はな(灯れ松明の火)
秋良
かもめ通信