内容説明
登攀に刻んだ青春の墓碑銘。灰色の戦中と、荒廃の戦後を、生の証しを刻みつけるように、一途に、憑かれたように、岩壁に命の灯をともして生きたクライマーがいた。佐瀬稔『喪われた岩壁』に描かれた男の、「永遠の一瞬」の回想。
目次
1 回想の谷川岳(A君への手紙;ひとり息子の山;秋のある登攀より ほか)
2 山の歳時記(アルプスの悲恋;あるビヴァーク;スキー帽物語 ほか)
3 山をめぐるノオト(ウエストンと一日本人;空からのヒマラヤ;谷川岳における登山思潮 ほか)
著者等紹介
安川茂雄[ヤスカワシゲオ]
1925‐1977。東京生まれ。本姓・長越。登山家、山岳紀行家、作家、翻訳家、編集者。中学時代より山を始め、丹沢、谷川岳、穂高岳の岩場に足跡をしるす。44年、谷川岳幕岩Aフェース初登攀。46年、日本山嶺倶楽部創設。三笠書房の編集者であるかたわら、第二次RCCのヒンズー・クシュ、パミール遠征に参加
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