内容説明
筑波大学附属駒場中・高等学校、略称「筑駒」。その昔は「教駒」。国立で男子校、自由な校風と抜群の東大合格率で知られ、日銀総裁、大学総長、官僚トップ、国会議員、発信力の高い学者、ユニークな起業家など、さまざまな分野で突出した存在感を示す卒業生も多い。ほんとうのところ、いったいどんな学校なのか―。OB、元教員から現校長まで、約100人の証言から探る。
目次
第1章 筑駒の新しい潮流―起業家やコンサルタントとして活躍するOBたち
第2章 「自由闊達」の正体―筑駒教育の真髄を探る
第3章 燃える三大行事、部活動―文化祭、演劇、サッカー、パソコン…
第4章 教駒・筑駒史 開校から東大合格率トップ校へ―農教・教駒時代(1947年~1970年代後半)
第5章 教駒・筑駒史 存続危機から底力を発揮―筑駒時代(1970年代後半~2020年代)
第6章 天才?秀才?日本一のオタク集団?
第7章 校風を教えてくれるOBたち―華麗で異色な教駒・筑駒人脈
第8章 筑駒はどこへ行くのか
著者等紹介
小林哲夫[コバヤシテツオ]
1960年、神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト。教育、社会問題を総合誌、ウェブ媒体などに執筆。94年から『大学ランキング』(朝日新聞出版)編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
84
週刊誌などの特集に掲載されている内容ではなく、この中高の実態をよく書かれていると感じました。私の友人にもこの学校出身者がいましたが、いわゆるがり勉型ではない感じでした。このような学校に入るのはやはり両親の影響が大きいのでしょうね。黒田前日銀総裁と現在の植田総裁もこの学校の出身者だそうです。2024/02/09
ヨータン
12
灘と並んで「日本一頭が良い」とされている筑駒について詳しく知ることができ、満足しています。やはり、天才肌の生徒が多い学校では、自由な環境の中でこそ才能がより発揮されるのですね。2024/11/08
ぶう
9
筑駒という学校は天才児たちには最高の環境ではないだろうか。東大への進学率にばかり目が行きがちであるが、筑駒の授業は大学受験には直接結びつかない。であれば何故、卒業生たちはこうまでして母校を絶賛するのか。筑駒という自由度の高い環境で、素晴らしい才能たちに周りを囲まれ六年間を過ごす。そうすることで自分の尖りを見つけることができ、アイデンティティを確立できるからだと思う。大学に受かりたいだけであれば鉄緑会の課題だけやってればいい。でも皆そうしないのは、学校生活でそれ以上のモノを得られるからなんだと思う。2024/11/21
Go Extreme
3
不思議な世界 ワンダーランド 新しい潮流:起業家やコンサルタントとしてッ活躍 自由闊達―筑駒教育の真髄:師・友・兄のような存在 マイペース>ガリ勉 教師・アク強い 居心地良し 教員によって学級崩壊 ×教科書中心・ありきたり 三大行事・部活動:社会課題に挑戦 根性論<ハート 農教・教駒時代ー1947〜70年代後半:入試は面接のみ 生徒のツブ 筑駒時代ー1970年代後半〜2020年代:入試に抽選制 受験戦争の解放区 SSH レールなし 日本一のオタク集団:リスペクト 趣味を貫く≒かっこいい どこへいくのか2024/02/23
マサキ
1
ある集団のらしさを知りたければ、その集団の歴史を紐解くと、腑に落ちることがあり、集団を作りたがらない理由も理解できる。 筑駒らしさは、先生に受験勉強なんか求めずにいること。 むしろ、受験なんかそっちのけの李白の白帝城で猿がボーボー鳴く情景とか、業平の話とか、香炉峰の雪とかのシーンとかがずっと記憶に残る。本当の教養を教えようとする学校であろう。2024/11/15