出版社内容情報
正面から性教育を受けてこなかった50代前後の世代。ジェンダー平等、性的同意、LGBTQ。多様化の時代に必要なのは知識と倫理感のアップデート。性をイチから学び直すための一冊。
著者情報
1941年生まれ。教育者。著書に『恋愛で一番大切な“性”のはなし』(KADOKAWA)、『素敵にパートナーシップ』(大月書店)、男子の性教育: 柔らかな関係づくりのために』(大修館書店)など多数。
内容説明
かつて、学校教育において性教育は忌避され続けてきた。性教育を受けないまま大人になった50代前後の世代の人たちは、多様化する現代社会のなかで岐路に立たされている。古い価値観を引きずったままでは生き残れない時代だ。加齢や病気などで健康状態の変化が気になる世代こそ、もう一度性について学び、人生そのものを楽しむことが大切だ。100歳人生を充実させたい大人のための性教育。
目次
第1講 「更年期」―誰もが通るその時期の過ごし方
第2講 「セックス」―思い込みを手放して仕切り直す
第3講 「パートナーシップ」―相手への尊重と傾聴
第4講 「性的指向と性自認」―LGBTQを知っていますか?
第5講 「性暴力」―加害者にならないために
第6講 「ジェンダー」―“らしさ”を問い直す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
40
男女どちらも学ぶことのできる内容だと思います。体育館に女子だけ集められた、生理の教育。娘たちは教室で、男女一緒にオープンに教わったそうです。いいな、そういうの。私たちは恋愛も性交も手探りだった。不純異性交遊は問題視されているのに電車は痴漢だらけ。女性は盲従することを強いられていた頃からは少しずつ変わっているーそして、浦島太郎のようだった自分たちは、今、どこか乙女のまま、50を過ぎてこういう本で学ぶことを楽しんでいるんだと思います。2025/04/11
katoyann
25
産婦人科医や弁護士などの専門家らが50歳からの性教育というテーマで執筆した本。閉経の時期に個人差があり、50歳で閉経していない女性が半数以上いるというのは初めて知った。それから子宮頚がんは性交渉によってヒトパピローマウイルスに感染することによって発症すると知り、こういうことも啓発していかないといけないと考えた。ということは、買春したり、複数の性交渉をしたりしているような男性との性交渉はリスク高いってことか(当たり前か)。田嶋陽子の対談もあり面白く読めた。2023/07/01
うさうさ
16
NHK「クローズアップ現代」で紹介されていて手に取った。 産婦人科医や弁護士などの専門家7人が「性教育」というテーマで執筆したもので、とても素晴らしかった。 知っていたこと、知らなかったこともあり、あの時ああいう気持ちだったのはそういう事なのかと目から鱗。 実際に性教育って受けたかなあ?生理のことかな?という記憶しかない。 学ぶ事が多く、性的同意なども含め、いい時代になったと思う。2023/07/26
警蓮社峻譽身阿
14
Audible。性教育とは生殖過程や生物的性差だけでなく、人間関係としての性行為やジェンダーや多様性も含めて行われるべきで、年齢によって理解力やキャパシティがあるため、大人になっても欠かすことは出来ない。男女の更年期や閉経、性行為について婦人科医から。夫婦間のジェンダーを離婚やDVなどの法的目線から。LGBTQ+についてゲイの当事者から。性暴力の観点からカウンセラーから。生物的な社会的な人間関係的な性を掘り下げる。性行為における同意は夫婦間でも最近特に意識している。男性は成長過程で優位を刷り込まれている。2024/12/20
T
14
オンライン研究会で勧められて。7名の専門家がそれぞれ更年期、セックス、パートナーシップやDV、LGBTQ、性暴力、ジェンダーについて書く。「50歳からの」と銘打ってあるため老年期に向かうセクシュアリティについて書いてあるのはもちろん、それぞれの章に「関係性」の視点が通底しているので、10代から何十代でも読んでほしいと思う内容。明治憲法で形作られ今なお「世間」として代々受け継がれている男性と女性の非対称性、支配被支配関係を指摘し、その対抗策として示されているのはやはり自らの感情を「語る」こと。2023/08/28