出版社内容情報
一日一つ、全366人の文章を選び、その言葉が日本の政治にとってどんな意味を持つか、いまの体制とどう繋がっているかを考える。
内容説明
歴史の深い闇に埋もれた言葉は、私たちの日常を読み解く鍵になる。公表時に話題にされても忘れ去られた名言、無名の人たちが残していた言葉、一つの出来事に対して異なる見解を示す文章…一日一つ、366人の言葉と今の体制との繋がりを通して、この国の政治とは何か、考える。
目次
阿満利麿
奥崎謙三
北村サヨ
福田恆存
出口ナオ
松岡きく
中上健次
広末晃敏
川本三郎
葦津珍彦〔ほか〕
著者等紹介
原武史[ハラタケシ]
1962年、東京都生まれ。放送大学教授、明治学院大学名誉教授。専門は日本政治思想史。東京大学大学院博士課程中退。著書に『皇后考』、『昭和天皇』(司馬遼太郎賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞)、『大正天皇』(毎日出版文化賞)。『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
87
日本の政治に関する文章などを366篇集めたものです。書き手は様々な分野の人々すなわち作家や歴史上の人物、外国人など多岐にわたっています。ただ単純に集めたのではなくそれらの人々が書いたりしゃべったりしたものの中から政治に関係する文章だけを抜き出したということは大したものだといわざるを得ません。2021/11/02
ころこ
38
1日ひとり、その日にゆかりのある人物だったりそうでなかったりする文章を引き、コメントを付す。1ページに収めて366ページで構成されています。例えば1月4日の福田恒存は、前近代人によって近代はつくられた。近代とは、という問いを考えるひとにとって、これは慧眼です。同様の構図が今まさに当てはまっていることに気付く読者もいることでしょう。テーマを設定して論じる本ではないので、あるテーマを考えることを期待する読者には不向きです。広く薄く、リファレンスとして。4月13日の東浩紀の見開きにルソーがいて、ネグリとハートの2021/08/02
おっとー
13
天皇、軍人、思想家、宗教家、運動家、作家…身分も所属も思想も性別も様々な人々の一言から政治について考えていく。史料に制約がある中で、女性の一言が比較的多いことも特徴的だし、時にはこんな人がいたんだ…と驚きその人生に想いを馳せることもある。ここまで多様な一言を取り上げ、かつその掲載日にちなんだマイナーな出来事に絡ませるのはまさに筆者の面目躍如。正統派の政治や歴史だけでなく、周縁の多様な人々の生き様を、一言を通じて炙り出していく。2022/02/08
skr-shower
3
他地区図書館本。パラパラと。余裕があれば再読?2021/10/25
ぱリ
2
放送大学 原武史教授「日本政治思想史」「空間と政治」を受講したので、本著でより理解が深まった。最も印象に残っているのは、3月17日ジョージ・オーウェル「過去は現在の情況に合致するように変えられる」。公文書が改竄されるような現実を、私たちは絶対に許してはならない。2022年9月27日安倍元首相の国葬の日に。2022/09/27