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河出ブックス
大洪水が神話になるとき―人類と洪水五〇〇〇年の精神史

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309625089
  • NDC分類 517.4
  • Cコード C0322

出版社内容情報

世界中に洪水神話が残されている謎を、神話や歴史史料を元に読み解きながら、抗えない大洪水と闘ってきた人類の精神史に迫る。

内容説明

旧約聖書の「ノアの洪水」をはじめ、「ギルガメシュ叙事詩」、「マヤ神話」、そして日本の神話まで、世界の神話を紐解くと、驚くほど多くの洪水神話が伝えられていることに気づく。なぜ世界中に類似した神話が残されているのか?神話学、歴史学、考古学、地質学などを元に、はるか古代にその地で何が起きたのかを検証し、洪水が実在したかどうかではなく、抗えない大災害と闘い、これらの神話を生み出した人類の精神史に迫る。

目次

第1章 ノアの洪水
第2章 大洪水の起源を求めて
第3章 世界の洪水神話を読み解く
第4章 氷期と大洪水
第5章 地球規模の大洪水を再考する
終章 大洪水が神話になるとき

著者等紹介

庄子大亮[ショウジダイスケ]
1975年、秋田県生まれ。西洋古代史・西洋神話研究者。京都大学大学院文学研究科博士課程指導認定退学。2007年、博士号(文学)取得。関西大学、佛教大学などの非常勤講師を務める。本来の専門は西洋古代史だが、西洋の神話の意味や、後世への影響などに広く関心をもって研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hal

9
大洪水の神話についてまとめられている。著者の全世界の神話研究や関係する映画の知識もすごいが、「失われたムー大陸」のチャーチワードや「神々の指紋」のハンコックにピリ・レイスの地図など、昔大いに楽しませて頂いた話も出てきて面白かった。「ノアの箱舟」の神話など、類似した神話が世界各地にある事実に関して、「ニューギニアの現地人にロシア民謡を教えたら、周辺の別の地域で先祖伝来の歌としてロシア民謡が伝播してた」例をあげて、神話が独自に作られたのか、よそから伝わったのかを判別するのは難しいというのは非常に興味深かった。2019/11/20

futabakouji2

8
洪水神話は世界中にあるので、びっくり。ノアの方舟から創世したという話があるけど、それの元になる話はギルガメッシュの頃の影響があるらしい。灌漑と治水で水は制御しないとならない。川が暴れないと水は恵みの源泉である。しかし、洪水が発生すると大被害が起きる。被害に遭った人は後世に自然のおそろしさを伝えようとして洪水神話が生まれたのかもしれない。2018/07/05

円盤人

4
世界中に存在する洪水神話のもとになった事実はあったのか、という本。著者は諸説の紹介と考察に徹しているため、冷静で常識的な姿勢を貫いており、「真説」が飛び出すようなおもしろさはないが、キリスト教原理主義や古代文明趣味(アトランティス大陸)など、このテーマからいろんなイシューが広がるのが興味深かった。なぜアメリカに原理主義者が多いのか、なども勉強になった。その一方で、なぜ日本に洪水神話がないのか、という点については、著者自身も不思議なのか、それっぽい仮説も提示されず、終始煮え切らない態度であるのが物足りない。2019/09/09

kira

3
神話として語られるものが歴史的に実在し、なぜ神話として語られるようになったのかを世界中の類話を比較しながら考察しているが、結局のところ事実を裏付ける史料に乏しく推察の域から脱せないところが残念だった。けれど、興味深い。もっと広く読んでもらうには平易に書く必要があったかもしれない。2018/04/28

らむだ

2
世界の洪水神話を概観し、それにまつまる地質学や考古学や歴史学の流れをおおまかに掴める一冊。読みやすい内容にまとまっている。2022/04/08

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