河出ブックス<br> 科学を語るとはどういうことか―科学者、哲学者にモノ申す

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河出ブックス
科学を語るとはどういうことか―科学者、哲学者にモノ申す

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624570
  • NDC分類 401
  • Cコード C0340

内容説明

「こんな的外れでナンセンスな議論をしているなんて、開いた口がふさがらない…」一人の物理屋の感じた哲学ヘの猛烈な憤りから、妥協なき応酬が始まった―科学ではない者が自然科学について語る「科学哲学」に関して、科学者・須藤靖が不満・疑念を率直に問いただし、哲学者・伊勢田哲治が真摯かつ精緻に応じていく。科学と哲学はどこですれ違うのか?科学哲学は何のために存在するのか?

目次

科学者が抱く科学哲学者への不信
ツッコミながら教わる科学哲学
哲学者の興味の持ち方
科学者の理解しにくい科学哲学的テーマ(因果論とビリヤード;実在論と反実在論をめぐる応酬)
答えの出ない問いを考え続けることについて
科学哲学の目的は何か、これから何を目指すのか

著者等紹介

須藤靖[ストウヤスシ]
1958年、高知県安芸市生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院理学系研究科教授

伊勢田哲治[イセダテツジ]
1968年、福岡県福岡市生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。メリーランド大学大学院修了。現在、京都大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

69
挫折。科学の方法やその歴史などを取り扱う科学哲学者に、哲学など無関係に科学を実践してきた物理学者が、科学哲学に疑問を投げかける。同じ用語でも意味合いが異なっている状況から対話をしていく。対談本は普通、一般読者向けの部分を交えながら和気あいあいと進むものだが、内容が抽象的で刺々しい。正直、科学哲学自体すでに意義が失われつつあり、科学者からみると意味不明な学問に思われていて正直それを隠していない。少しづつ誤解が消えていくが、追っていくのが疲れた。一般向けの配慮をする余裕が無かったがその分真剣な対話だといえる。2018/03/19

trazom

49
「科学哲学」に関して、物理学と哲学の教授が論争を戦わせる何ともスリリングな一冊。正に、両者ノーガードの打ち合いのような言葉の応酬が最高に面白いが、これは、対談形式に仕上げた編集者の力量の賜物である。理科系の私は、間違いなく物理学者の須藤先生の真っ直ぐなパンチに共感する。それを受ける哲学者の伊勢田先生は、巧妙なウェービングで正面からの打ち合いを躱しているような印象がある。しかし、論争は、具体論を求める科学者に対して、哲学者の概念論の方が圧倒的に厳密である。徹底的な懐疑主義から積み上げた反実在論の懐は深い。2020/03/13

ころこ

26
終始、混乱しているようにみえるのは、科学哲学と科学の関係の問題と、文系と理系の違いの問題を同時に議論しているからです。素朴実在論の科学者に対し、哲学者が科学の土俵で哲学を説明しようとするため、哲学者は技を決めたつもりでも、「決め手」に苦労しています。科学の土俵である限り、科学者の反論は正統に思えます。科学者は解釈学的な歴史観が欠如しており、それに気づいている科学哲学者は、科学のブレイクスルーに科学哲学的視点は不可欠であると、おせっかいにも伝えたがっています。科学哲学者は科学に寄生している立場なので、いくら2018/03/20

Koning

22
いやーこんな年の瀬の忙しい時期に読んでどうするよ?って感じだけど、3.11以降無駄議論にデマバラマキの元凶の一つだったサイエンスコミュニケーターやアホをさらけ出した思想家()やらのあれこれを見てたり、社会科学と自称する何かの大半は科学じゃねぇだろ!派なので最初からそういうバイアスありで読んだ訳だけれど、お互い真摯に相手をやりあってて面白いという。けっきょくかみ合わない訳だけどやっぱり哲学者ってわざわざ隘路にはまり込んでいくよなと(汗。2014/12/29

柳田

18
これは面白かった。下半期ベストに入るかも。科学哲学者と科学者(物理学者)が対談をするわけだが、哲学者が物理学の研究を不毛と思うことはなくとも物理学者は科学哲学の議論をざっときくと腹が立つようだ。して、プロの研究者でかつ科学哲学の入門書をいくつも見ているような人でも議論をある程度精密に理解してもらうのにこれだけの紙幅が必要なのかと驚いたところはある。いい加減にものを言ってはいけないなと思った。伊勢田先生が最後に、議論が包括的ではないからが入門向けではないかもと言っていたが、私にはちょうど楽しめる本だった。2018/08/02

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