内容説明
戦後の日本が世界中の人々に本当に伝えるべきこと、それは、被爆=被曝の体験から生まれた文化、原子力による被害の文化である―。ゴジラと放射能恐怖映画から、鉄腕アトム、広瀬隆『東京に原発を!』、吉本隆明『「反核」異論』、黒澤映画『生きものの記録』、『はだしのゲン』、『長崎の鐘』、『風の谷のナウシカ』、『AKIRA』、「原発文学」の数々まで、さまざまな文化現象を世相に重ね合わせながら読み解き、原発と原爆(=「核」)をめぐる時代精神を浮き彫りにする。3・11の破局にいたるまで、私たちはいったい何をしていたのだろうか…。
目次
第1章 ゴジラと放射能の恐怖(集合的無意識としての怪獣ゴジラ;怪獣と放射能 ほか)
第2章 アトムと原子力の平和利用(アトム・コバルト・ウラン;原子力の平和利用としての「アトム」 ほか)
第3章 ナウシカとAKIRAの戦後世界(アトムを擁護する;戦後の原子力研究 ほか)
第4章 「原発」の文学史(ゴジラの復活;ゴジラは二度死ぬ ほか)
著者等紹介
川村湊[カワムラミナト]
1951年、北海道生まれ。文芸評論家。法政大学国際文化学部教授。著書に、『牛頭天王と蘇民将来伝説』(読売文学賞)、『南洋・樺太の日本文学』(平林たい子文学賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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