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松下竜一 その仕事〈17〉ルイズ―父に貰いし名は

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309620671
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0395

内容説明

社会の本質に視点を置いた松下文学―彼のノンフィクションは安易な“客観”を否定し“事実”を確認することの大切さを教えてくれる。

目次

葉鶏頭
埋葬
浜のとんび
浜千鳥
魔子
講堂
マーガレットの花
老牧師の祈り

日の丸の旗〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

154
第4回(1982年)講談社ノンフィクション賞。 1923年 甘粕大尉によって、虐殺された 大杉栄の遺児たちの物語である。 両親を虐殺により 絶たれた子供たちの 人生には 心が痛む。 戦中・戦後の風景が 瑠意子の人生とともに 今に蘇る。 無政府主義者と言われた人々の 遺族の人生を 辿る 貴重な作品だった。2019/04/17

小鈴

19
大杉栄と伊藤野枝の四女ルイズーー1歳4ヶ月で親を喪い祖父母のもとで育つ。彼女の人生はもう一つの昭和史であり女性史だ。祖母ウメ、母野枝、ルイズの女三代記でもある。被害者であるはずの子ども達は、社会から厄災のように言われ、同時に無政府主義者からはカリスマの子として見られながら、結婚し、子供を育て生活の苦しみのなか、親について学び、そして迷い恥じるのだ。親のように活動していない自分を。自らの人生を生きるということ、その普遍性に胸を打つ。二人の子供であるということを超えて。多くの人に読まれて欲しい一冊だ。2016/10/22

カチ

3
印象に残った二人。まず伊藤野枝の母ウメは、読み書きもできず、奔放な夫や娘に振り回されながら骨身惜しまず働く。厳しい生活の中でも、全てを受け入れおおらかで愛情深い人だったようだ。母の記憶を持たないルイを育てた彼女は、孫に多大な影響を与えている。野枝は功績を残したが、「一人の強者が烈しいまでにエゴを貫くとき、その周辺の弱い者が犠牲になる」のはありがちだと思いつつ、ウメには雑草のような強さを感じた。もう一人は、姉の真子。藤本豊との不幸な結婚にもアナキストの娘としての強烈な葛藤を感じた。

猫草

1
大杉事件の遺児ルイズの軌跡もさることながら伊藤野枝の母の強さとおおらかさに感動。昔の女性はスゴイ!2011/09/05

freebird

0
傑作。最近、栗原康さんらの活躍で、アナキズムや大杉栄、伊藤野枝などが再注目されてきた流れの中で、再読、されるべき本。 強烈な個性を持つ恒星にばかり目が行くが、恒星の引力、重力から逃れることのできない惑星の軌跡を追った名著。 「豆腐屋の四季」の数十年後の恒久かつ進化系。2024/03/03

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