内容説明
「生活者の視点」を失うことなく激動の時代のただ中で、地方の小都市に居を定め「真実」を見つめ続ける松下文学―その原点をなす確かな日常を描いた小説世界は未来への羅針盤である。
目次
1 松下家の“老人問題”の幕開け―それはドタッ!で始まった
2 老人ホーム入所―悲惨という言葉は禁句に
3 父の危篤で兄弟が勢揃い―思いがけない新年会
4 入院―子供になってゆく父
5 在宅介護―一家が共倒れの危機に
6 父の人生―貪ることを知らないつましい一生
7 再入院―つらさがつのる老人病棟
8 最後の元旦を迎える―この病棟だけは餅は出ません
9 危篤、そして奇跡的な蘇生―魂をつなぎとめる
10 命の最後のたたかい―食べることをやめた父の口