１４歳の世渡り術 １４歳のヒロシマ―被爆者が伝える戦争と平和のはなし

梶本 淑子【著】

河出書房新社（2023/07発売）

• サイズ 46判／ページ数 192p／高さ 19cm
• 商品コード 9784309617527
• NDC分類 210.75
• Cコード C0321

出版社内容情報

1945年8月6日、私は14歳で被爆した――いま戦争をしている人たちは「何もわかっていない」。平和な世界のために何ができるのか。ヒロシマの語り部が伝えたい戦争と平和のはなし。

内容説明

１４歳のあの日、原爆が落とされた―。平和のために何ができるのか。核の悲劇は過去ではない、「今」も続いているのです。

目次

第１章　戦争ばかりの子ども時代（今も忘れない父のぬくもり；忍び寄る戦争の影　ほか）
第２章　「広島がなくなってしまった！」―原爆投下の日（すみきった夏空の下、１日が始まった；ガレキに体が埋まっても「私は、まだ生きている」　ほか）
第３章　「なんであんただけが帰ってきたんか」―生き残った苦しみ（黒いおにぎり、黒い雨；父と奇跡の再会　ほか）
第４章　７０歳で証言者に―「一生語りたくなかった」記憶を伝える（原爆の悲惨さを世界に訴え続ける原爆ドーム；「第五福竜丸事件」から始まった被爆者運動　ほか）
第５章　「８月６日はなんの日か知っていますか？」―平和のバトンをつないで（「原爆の絵」今の高校生たちの平和活動；戦争の悲惨さとともに伝える周囲を思いやる大切さ　ほか）

著者等紹介

梶本淑子［カジモトヨシコ］
１９３１（昭和６）年、広島県広島市に生まれる。１９４５年８月６日、高等女学校３年生だった１４歳の時に、学徒動員されていた工場で被爆。７０歳を過ぎてから被爆体験証言者の活動を始め、証言回数は２０００回を超える。また、毎年福島の中学校にも行き、生徒たちに被爆証言を伝えるなど、中学生・高校生たちとの草の根交流も精力的に続けている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[よし]

原爆が投下された時の、その被爆した瞬間の様子、空の色や、人々の状態、におい、体調の変化や、困窮を極める暮らしなど、その悲惨さや苦しみが伝わってきました。高校生たちが伝え聞いた話を描いた絵がカラーで挿入されていてたり、平和祈念資料館のデータベースから資料が閲覧できることが紹介されていたりして、戦争をより深く知ることができるのではないかと思います。青い光を見た直後、とっさに耳と目と鼻をふさいだこと、そういう訓練をしていたと知って驚きました。

2023/09/12

[︎💓ひかる💓]

冒頭"はじめに"から涙で読めません！泣いたのは最初だけで後は普通に読んでましたが、あらたに知ったこともありました。どちらにせよ悪夢です。水が…脱水症状なのに…水のせいで死ぬ。★欲しがりません、勝つまでは ★黒いおにぎり、黒い雨。"被ばくアオギリ"も初耳です。早速スマホで調べました。1954,0301今度は水爆実験まだするんかい！おかげでマグロ漁船「第五福竜丸」全員が被ばくした。それも広島に落とされた原爆の1000倍の破壊力という。『安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから』

2023/11/10

[asa]

★★★こちらも仕事の関係で読んだもの。

2023/10/12

[桜絵]

14歳の世渡り術シリーズ。 当時14歳、広島で被爆した梶本さん本人の証言による一冊。彼女の生い立ちから被爆当日、その後、そして彼女自身の思いを綴る。 普段も語りをされているので、作中に梶本さんの感情はほとんど入っていない。淡々と描写されている。それだけに苦しみが深く、読む手を何度か止めそうになった。誠実な語り口調ながらに読みやすく分かりやすく、だからこちらも懸命に読もうとする。平和とはなんなのか、なぜ戦争をしてはいけないのかなど、彼女なりの答えも記してある。戦争が近い世の中だけど、だからこそ読むべき。

2023/10/09

[okatake]

14歳で被爆した著者の物語。 現在は語り部として生きている著者も葛藤がありました。 そして、子育て等自分の人生がありました。 高校生が描く「原爆の絵」の活動が素敵です。 原爆経験者と高校生とのディスカッションがあっての絵。 単に自分たちが描くだけでない、触れあいから生まれる芸術。自分事にした彼ら彼女らの芸術は、自分の内奥で解釈した後の表現。 それぞれの内面と対話することができること機会は貴重です。

2023/10/02