内容説明
日本最大の鉄道会社であるJR東日本が岐路に立っている。鉄道事業はコロナ禍前の利益が望めず、銀行や不動産といった非鉄道事業への軸足の移動を急いでいるのだ。「鉄道への集中」からの脱却は、私たちの生活をどう変えていくのか?変革の深層に迫る!
目次
序章 JR東日本が直面している危機
1章 鉄道受難の時代を生き延びる「次の一手」
2章 数字と歴史で読み解く鉄道事業
3章 数字と歴史で読み解く関連事業
4章 Suicaの進化がもたらす新たな生活スタイル
5章 「都市を快適」に、「地方を豊か」に
6章 JR東日本が挑む未来戦略
著者等紹介
枝久保達也[エダクボタツヤ]
1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。現在は鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行なうかたわら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』で第47回交通図書賞歴史部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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nishiyan
15
JR東日本の発足から現在までの流れと今後の課題がコンパクトにまとめられた新書。歴代社長の著書を筆頭に豊富な資料が引用されており、参考文献一覧を見ると、218ページの内容に収まったのは凄いなと。興味深かったのはSuicaを巡る論考となった第4章。私自身がSuicaが登場したときからのユーザーであり、JREポイントを活用していることもあって、この変化を直に感じているからか大変面白かった。これまでの歴史を押さえながら、JR東日本の今を知る上で基本となる1冊といえるだろう。2024/09/27
たくみくた
4
33冊目。資料作成のためにサラッと読了。人口減少やコロナよる働き方の変化によって、鉄道事業だけでは頭打ちが見える鉄道各社。周辺の商業施設などの不動産事業、JREポイントなど、鉄道の基盤を生かした第2の柱をしっかりと作っていくことが重要。そのために運転手のスペシャリスト育成ではなく、ゼネラルな人材の育成が求められる。2024/12/22
gokuri
4
東京メトロの上場で巷がにぎわう一方、JR東日本のSuica中心とした経済圏も快進撃ではと思い、JR東の企業戦略をかんがえてみようと購入。 鉄道会社としての歴史から、鉄道ネタを多く含みながら、JRの中長期計画をしっかりとらえた力作。今後の不動産事業、ビッグデータの活用など、まだまだ、これからの伸びしろは目白押しで、投資対象としての魅力満載だった。2024/11/15
ササガキ ルマタ
1
全体像がかかれており、わかりやすかった。2024/10/31
なん
0
今年初頭に職場がJR東に完全連結子会社化されたところで、常に身近だったプロジェクト名を見ながら感慨深く読んだ。数字で読み解く鉄道事業と歴史から始まって事業創造本部の発足などにも簡単に触れ、Suica事業、不動産事業、金融事業と首都圏の話ばかりで地方はオマケかと思ってたら、東日本一社だけですでに規模が大きすぎて割愛されている旨。さもありなん。2024/12/30