出版社内容情報
「地下深くにはドロドロのマグマ…」はウソで、巨大ダイヤモンドがあるって?謎に満ちた驚きの地底世界を体験する!
内容説明
中心に向かって3km、150km、2900km、さらに6400km…と掘りすすむといったい、どんな光景が広がっているのか?生命の誕生から宇宙の仕組みまで謎が謎を呼び、探究心をかきたてる驚きと興奮の地球科学入門!
目次
1 地下30kmまで 生命の森「土壌」と、「地殻」の世界
2 地下30~2890km 鉱物の色彩豊かな「マントル」の世界
3 「プレート」と「マントル対流」活動する地球の仕組み
4 地下2890~6370km 鉄から成る地球の中心「コア」の世界
5 コアがつくる磁場と地球生命の誕生
6 地球史の大きな謎「磁場逆転」現象
7 地底から浮かび上がる宇宙の成り立ち
終章 足元から森羅万象を解明する地球科学のススメ
著者等紹介
廣瀬敬[ヒロセケイ]
1968年、福島県生まれ、東京大学理学部地学科卒業。同博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、米・カーネギー地球物理学研究所客員研究員、東京工業大学地球惑星科学科教授、同地球生命研究所(ELSI)所長・教授などを歴任。2017年より東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻固体地球科学講座教授。専門は高圧地球科学、地球内部物質学。2011年、日本学士院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
230
月まで到達してる人類が、ボーリングで掘り進んだ最深記録は地下12kmなんですね。地球足下暗し。半径6400kmだから、1%にも満たない、未開 ·未解の世界。地下を調べれば地球生命の起源が分かるし、地球が持つ磁場が生命を誕生·進化させたということです。セントラルドグマ、モホロビッチ不連続面、チバニアン、スノーライン、マグマオーシャンなどの単語に興味を持ったら、この本の世界を掘り進もう。2022/09/10
はやたろう
13
素人に優しい地学の本。地球の成り立ち、地球の構造がわかりやすく書かれている。なるほど、そうだったのかと思うことがたくさんあった。2024/11/22
奏市
13
プレートとかマントルとかなんとなく知ってるけどよくは知らない地球の内部。地球内部を知ることは生命の誕生や宇宙を知ることに繋がるという。現在のボーリング最深記録は12キロ。地球の半径6,400キロの1%にも満たない。まだまだわかっていないことが多いらしい。コアの組成とか。もしかするとかなり深いところには我々とは全く基本法則の異なる地球型生命以外の生命がいるかもと。信じ難いが可能性としてはあるようで研究対象らしい。コアが磁場を作り、磁場が太陽風・宇宙線を防ぐから生物が生きられ、海は蒸発しないと。コアに感謝。2022/08/03
Humbaba
2
物事を評価するためには、比較するというのがとても有効な手段となる。しかし、比較を行うためには二つのデータが必要であり、たった一個の種ではそれがどれだけ特殊なものなのかはわからない。だからこそ、通常は生命が存在できないような環境にこそまだ見つかっていない種があり、全く違うものが見えてくるのではないかという期待を持たせてくれるようになる。2025/01/15
1484h
2
固体地球科学の入門書。半分くらいは核の話だけど、地下生物圏、生物の起源、初期地球や地球外惑星にも触れられている。文章はたいへん読みやすく、内容も面白いのでサクッと読める(火山についてはちょっとモニョる記述もあるけど)。 ただ一点だけ「青木ヶ原の樹海はコンパスが利かないことで有名ですが、それは足元にある溶岩が磁気を帯びていて、コンパスを狂わせてしまうからです」という一文だけはいただけない。青木ヶ原樹海でコンパスが効かないって、それ有名な都市伝説だよ。2024/07/25