内容説明
推理小説やテレビドラマの世界では、法医学者は死体を鑑定して鮮やかに事件を解決に導く。しかし実際は、そんな筋書きどおりにはいかず、“死体の訴え”を聴取するのは至難のワザだ。所見を一つ見誤るだけでも被告人の有罪・無罪は逆転しかねない。本書では実際にあった数多くの事件を取り上げ、法医鑑定の知識と実像を説く。
目次
1 推理小説よりはるかに難解な死体が発するメッセージ(死体はすべてを語らない;死体からのメッセージは千差万別(死体と現場の痕跡) ほか)
2 ときに事件の真相をおおい隠す死者に残された“生の証拠”(判断が難しい死体の「生活反応」とは;出血は生活反応の決め手になるか ほか)
3 真摯に向き合わねば声なき死体に騙される(まれではない再鑑定の依頼;死後に移動する血液が真実を隠す(死斑) ほか)
4 法医学によって解明される社会が震撼した事件の謎(化学兵器の毒物が民間人を襲う(サリン事件)
なぜ毒物の可能性を推定できたのか ほか)
5 事実を科学であぶりだす最先端の鑑定法の威力(信頼を得る法医鑑定を目指して;切れ味の凄みをみせるABO型鑑定 ほか)
著者等紹介
石山〓夫[イシヤマイクオ]
1931年、埼玉県生まれ。東京大学医学部卒。64年よりキール大学(旧西ドイツ)およびフンボルト大学(旧東ドイツ)に留学。その後、東京大学医学部法医学教室教授、帝京大学医学部法医学教室教授を経て、現在、帝京大学名誉教授。医学博士、専攻は法医学。一連のオウム事件など、社会を震撼させた著名な事件を数多く手がけ、日本で最初にDNA鑑定実用化を試みた先駆者でもある。歴史と音楽にも造詣が深い
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