内容説明
俊足のアキレスが、鈍足の亀にけっして追いつけない不思議。「クレタ人はウソつきだ」とクレタ人が言った。彼はウソをついたことになる?それとも…。考えれば考えるほどわからなくなる論理の迷宮から、あなたはもう抜けだせない。
目次
1 正しいけどヘン、頭を悩ます「無限のパラドックス」―「無限」という不思議な空間で遊ぶ
2 ウソかマコトか、混乱する「言葉のパラドックス」―この論理の迷宮に出口はあるか
3 私の存在すら疑わしくなる「パラドックス思考」―この世界はすべてウソかもしれない?!
4 多数決、自由、寛容がもたらす「社会のパラドックス」―「民主主義ほど独裁を生む」という矛盾
5 医療の疾走やIT革命が深刻な事態を生む―科学の恩恵が社会を蝕む今日のパラドックス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
べんぜん。
3
【うそつきのパラドックス】【アキレスと亀】【囚人のジレンマ】など有名なパラドックスもあれば、よくわからないパラドックスもあったり。パラドックスを解消するためのラッセルの【タイプ理論】は、要はそれらの次元が違うから論じることはできないってことで勝手に解釈。これ読んでたら土橋さんの【生贄のジレンマ】が読みたくなってきました。2012/02/15
菜花@ほのおかくとう協会門下生
2
ゼミの輪講で使う資料としてこの本を借りました。内容はまずまずです。無限についてや物理的なことも出てきますが、理数系が苦手な方にも解り易いのではないでしょうか。世間で当たり前だと言われていることを疑い、自分の頭で考え、正しくあろうとする姿勢には同感です。さすが「考えること」を極める倫理学、といったところです。2012/06/07
わ!
1
久しぶりの論理学(?)の本。良いですね~。ただゲーデルの「不完全性定理」に関して、「入り口までで終える」と言い放って終えられると、ゲーデルを知らない人は、知りたくなるのではないかな~?確かにその先のゲーデルは、数学(中でも論理学)が苦手な人には、おぞましい内容なのだけれど、逆にスキものにはこたえられない醍醐味があるのだけれどね~。どちらかというと、真面目なパラドックスの本で、手品のようなひっかけ矛盾などは載せていません。2016/11/11
入江・ろばーと
0
第3章が一番興味深かった。ここでの考えを進めていくと、「私は虚構である」というところに行きつくような気もして、まさに壮大なパラドックス。2016/07/18
jdrtn640
0
雑学的に有名なパラドックスを紹介しているが、まとまりがなくて箇条書きのように平板な文章になってしまってる。著者の専門分野(哲学史、生命倫理)に内容を絞ってロジカルに書いたほうが良かったのでは?2010/04/11