内容説明
強盗殺人で死刑判決を受けて監房にいる路村三郎は女の体を知らない。彼にとって女性に代わるものは男性のお尻なのだ。彼の人生の希望も喜びも、すべてそこから生まれている。彼が今に至ったのも、そのせいだ。彼の最後の願い―それは、もういちど、あの仄黒い不思議な底力に満ちた男の谷間に自分の体を突きたて、自分にも突きたててもらうこと。お腹のなかまで痛む被虐の苦痛を思い、快楽の記憶にふるえる死刑囚の告白記。
著者等紹介
日沼エイスケ[ヒヌマエイスケ]
本名・簑内宗一(みのうち・そういち)。1922年、長崎生まれ。服役中に入手した死刑囚の遺稿をまとめ、『泥棒日記』として出版。その後、東洋医学を研究
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感想・レビュー
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JunTHR
3
戦争孤児となり、ヤクザに拾われ、そこのホモの親分に仕込まれ、その後密輸船に売られて毎晩船員の相手をして、逮捕されると少年院であんことしての才能に目覚め、ゲイバー・男娼を経由し、また刑務所へ、そして出所後…という同性愛者としての遍歴と裏社会での半生。まぁ小説として読むのが正しいのかな?一応体裁上は、懲役を受けていた日沼ケイスケ氏が、死刑囚の房を掃除した際に手に入れたノートを元にしたノンフィクションだが、相当怪しい。(年数などの記載もあるが検索ではその事件出てこない) でもめちゃくちゃおもしろかった。2014/11/12
suzuoan
0
フィクションなのかノンフィクションなのかよく分からないけど、内容が救いがなく過激な描写もあり読了後なんとも言えぬ気持ちになった。2017/12/15
ゆん
0
読み物としては面白かった。これがノンフィクションだとしたらかなりすごい人生だったな。サブ…ゲイ小説ともBLともJUNEとも違う…かといってさぶでも薔薇でもなさそうな不可思議な男色小説?でも引き込まれて読み進んでしまいましたw2015/12/03
YY
0
文章を楽しめる小説ではない。そもそも小説なのかよくわからない。盲妹の話などなかなかに衝撃的で、事実ではないと信じたい自分がいる。そういう微妙なフィクション性と現実っぽさの揺らぎを楽しむものなのかもしれないが。まあしかし、「泥棒日記」ってタイトルだったら気取りすぎだね。タイトル変えてよかったと思う。2014/04/14
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