内容説明
性愛をめぐる女の性に関する神話も、男の性に関する神話もほぼ解体された今、身体とセクシュアリティは「本能」と「自然」から切り離され、歴史と文化の対象となった。「関係の技術」としての性愛、「他者とつながりたい欲望」としての性愛をいかなる言葉で語るべきか。近世から近代、戦後から現代、そして近未来まで、六人の知性と語りつくした性愛をめぐる対話篇。
目次
遊女と地女―江戸の性愛考(田中優子)
女と文明―女性と家族の地殻変動論(梅棹忠夫)
性の境界領域へ―現代の病理とナルシシズム(木村敏)
男を捨てよう―日本の女と男はどこへ行くのか(石川好)
性愛のディスクール―受動性の快楽の行方(植島啓司)
見果てぬ夢―対幻想をめぐって(森崎和江)
メタ・ディスクール=性愛論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
6
上野千鶴子さん、書き手としてあまり興味を持てないな。書いてあることに心が動かされない。女を抑圧する男カルチャーを指弾する論姿は勇ましいが。掲載されている近影がお立ち台にのぼって踊っていてもおかしくないイケイケな風貌でよかった。というのも性愛を肯定している思想家感が出ていたので。2022/10/16
Gen Kato
1
性とは、女とは、そして性愛とは、さまざまな切り口で語られる対談集。圧巻は森崎和江との対話。巻末の上野千鶴子自身による『性愛論』も素晴らしく刺激的。恋愛はその自分勝手さにおいて犯罪、とりわけ理由なき殺人と似ている(秋山駿)とか…2015/03/14
ぺんたこら
1
読み物として面白かった。木村さんにもっと喋って欲しかった!☆間違って押しました…2009/11/13
sansirou
0
ちょっと古くて、HANAKO族なんて言葉が出てきたりするけれど、楽しく読めた。も上野千鶴子と言えば、っと強烈な人かと思っていたけど、読んだ感じはいい印象だった。2015/11/20
高円寺
0
初出は1991年。上野千鶴子と六人の知識人による対談と、上野千鶴子による書き下ろし論考「メタ・ディスクール=性愛論」が収められている対談集です。知識人と対談のタイトルはそれぞれ、田中優子「遊女と地女――江戸の性愛考」、梅棹忠夫「女と文明――女性と家族の地殻変動論」、木村敏「性の境界領域へ――現代の病理とナルシシズム」、石川好「男を捨てよう――日本の女と男はどこへ行くのか」、植島啓司「性愛のディスクール――受動性の快楽の行方」、森崎和江「見果てぬ夢――対幻想をめぐって」。2015/02/27
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