内容説明
異常なのが正常であり、正常は異常の塊なのである―。サド・マゾヒズム、フェティシズム、同性愛、その他…。謎にみちたさまざまな性衝動と、その歓び、苦悩、悲哀を、カウンセリングや現実の事件を通して分析し、人間存在の普遍的真実の解明によって、人々を心理的呪縛から解きはなつ、現代セクソロジー最大の先駆者の画期的な労作。好評の文庫コレクション第6弾。
目次
異常犯罪の「鍵」として
新版・PREFACE 異常な反響にこたえて
序章 「激しい恋は生きられぬ」
女性編
男性編
カウンセリング編
補章(啄木の「ローマ字秘密日記」分析;男根狂崇型;異性変装症)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
13
手を出そうか否か迷った末の高橋鐵。性科学の泰斗の著作沼にハマってみようかと。本書はアブノーマルな性態を分析して「正道」へ導かんとするものである。フロイト学説を実地に適用してカウンセリングまで行うのは、いささか危ういところが無くもないが、官憲や通俗道徳主義を「無知」として切り捨てる叙述は爽快の気味がある。江戸川乱歩との交友なども記述されている(そのひとつp.174に目立つ誤植あり)。注目すべきは、芸能人に対する傷害事件を「地位の平均化運動」と形容したp.202。「家畜人ヤプー」とp247の関連など。2020/08/31
澤水月
0
921222