出版社内容情報
小説・漫画・映像・ゲームへ大いなる影響を与え続ける架空の神話大系「クトゥルフ神話」。その創造者であるホラー作家ラヴクラフトの生涯と作品を、『服従』『滅ぼす』など数々の問題作を放つ《世界一センセーショナルな作家》ウエルベックが熱烈な偏愛で語る、衝撃のデビュー作!
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◎スティーヴン・キング序文「ラヴクラフトの枕」収録
◎解説=柳下毅一郎
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○本文より
“人は人生を愛しているときには読書はしない。それに、映画館にだってほとんど行かない。何と言われようとも、芸術の世界への入り口は多かれ少なかれ、人生に「少しばかりうんざりしている」人たちのために用意されているのである。“
“人生に倦み疲れた心にとって、ラヴクラフトを読むことが逆説的な慰めとなるのがなぜなのかはよくわかる。実際、どんな理由であれ人生のあらゆる様態にたいして本物の嫌悪を抱くにいたったすべての人に、ラヴクラフトを読むよう勧めることができる。”
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○目次
序文 ラヴクラフトの枕(スティーヴン・キング)
はじめに
第一部 もう一つの世界
儀礼としての文学
第二部 攻撃の技術
晴れやかな自殺のように物語を始めよ
臆することなく人生に大いなる否(ノン)を宣告せよ
そのとき、大伽藍の偉容が見えるだろう
そしてあなたの五感、いわく言い難い錯乱のベクトルは
完全な狂気の図式を描きだすだろう
それは時間の名づけ難い構造のなかに迷い込むだろう
第三部 ホロコースト
反伝記
ニューヨークの衝撃
人種的憎悪
わたしたちはハワード・フィリップス・ラヴクラフトから魂を生贄にするすべをいかに学ぶことができるのか
世界と人生に抗って
読書案内
訳者あとがき
解説 人間嫌いの文学史(柳下毅一郎)
【目次】