内容説明
現代思想界に彗星のごとく現われた奇才ジジェク。その実質的に最初の書物にして、名実ともに代表作。難解で知られるラカン理論をあざやかに読み解いてみせ、ラカンをつうじてヘーゲルに、マルクスに、フロイトに新たな息吹をもたらした驚異の書。今日にいたるまで縦横無尽に発揮されるジジェクのオリジナリティの萌芽が詰め込まれたロングセラー、新装版。
目次
第1部 症候(いかにしてマルクスは症候を発明したか;症候からサントムへ)
第2部 他者の欠如(汝何を欲するか;汝は二度死ぬ)
第3部 主体(〈現実界〉のどの主体か?;「実体としてだけでなく主体としても」)
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ] [〓i〓ek,Slavoj]
1949年、スロヴェニア生まれ。哲学・精神分析から、映画・芸術、現代政治まで、縦横無尽に論じる現代思想界の奇才
鈴木晶[スズキショウ]
1952年、東京生まれ。法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tyfk
7
ジジェクのおもに映画を絡めた話はいろいろ読んできたけど、この本は「批評空間」に掲載されたときちょっと読んだだけ。ちゃんと読んでみるかと思った動機は、トランプについて考えるヒントがありそうな気がしたから。ラカンの4つの図の解説あたりまでは『構造と力』に似た話でそれほど難解ではないけど、その後のヘーゲルがでてくるところから難しくなる。でもたぶんそこがポイントなんだろう。2025/06/30
kumoi
2
<物>は完全に否定されたとき、その本性を表す。つまり、精神は骨である。「愛してる」という言葉は発話者の聞き手に対する愛を証明しているだろうか、と考えることが理解のためのヒントになる。私たちは本当に愛していようが口先だけであろうが、「愛してる」と発話できてしまう。だから、「こんなに愛しているのに、なんで君は分かってくれないんだ」と嘆く人間は愚かだと言わねばならない。愛はそれを伝えることが完全に不可能になったときに姿を現すのだ。愛は語るべきものではない。語られないことによって示されるべきものである。2025/08/03
Go Extreme
2
https://claude.ai/public/artifacts/5ecb10d5-aab3-4f5e-8fb2-31b83e51d3c3 2025/07/08