内容説明
麻薬中毒者=ジャンキーのリーはニューヨークからメキシコシティまで各地を転々としながら、麻薬漬けの日々を送る…『裸のランチ』で驚異的な反響を巻き起こしたバロウズのデビュー作にして、戦後アメリカのアンダーグラウンド文化が色濃く反映された自伝的小説。最新テキストを元に全面的に訳文が見直された完全版。
著者等紹介
バロウズ,ウィリアム・S.[バロウズ,ウィリアムS.] [Burroughs,William S.]
1914年、アメリカ合衆国ミズーリ州生まれ。作家。ハーバード大学卒業後、定職につかずにアメリカ、ヨーロッパ、スペインの各地に滞在。53年、麻薬中毒者を描いた自伝的小説『ジャンキー』でデビュー。59年に発表した『裸のランチ』は世界的な反響を呼び、ビートニク文学の代表作となる。97年、逝去
鮎川信夫[アユカワノブオ]
1920年、東京生まれ。詩人、評論家、翻訳家。伝説の詩誌「荒地」創刊に参加。86年、逝去
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年、東京都生まれ。評論家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
148
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。W.S.バロウズ、初読です。著者の処女作にて、自伝的私小説、ジャンキーのリアルが描かれています。続いて代表作『裸のランチ』を読む予定です。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309468167/ 2025/07/12
アングラ読書
1
麻薬は生命体と死んだものの移行 動物生命と植物生命の移行。 収縮と成長を繰り返すから、ジャンキーは長生きする。 娯楽でも刺激でもなく、麻薬は生き方だ。 ——氏はそう記す。 しかしちっとも羨ましくならないのがこの本の素晴らしいところだ。 ドラッグを美化せず、精神論にもしない。麻薬の実態を、ただ刻々と、凄惨に、醜く、生々しく描き出す。 娯楽でも刺激でもなく、これは確かに「生き方」なのだ。2025/06/28
biwacovic
1
バロウズのデビュー作。麻薬という単語をこの小説以上に読むことはこの先ないだろう。緻密に描かれる麻薬中毒者の生態、思考。「ジャンキーは長生きするし、実際よりも若く見える。人間は成長をやめると死に始める。麻薬常用者は決して成長をやめない」とか謎理論を突如書いたり、やめる為に大騒ぎしたり、とにかくまるで一貫性はない。ルー・リードはバロウズでこれが一番好きとのこと。それも納得の退廃と(理由なき)生への執着。2025/06/14
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