出版社内容情報
Ⅰ巻の「事実と神話」をもとに、現代の女たちの生を、さまざまな文学作品や神話、精神分析を渉猟しつつ分析する。子ども時代、娘時代から、性の入門、同性愛の女、結婚した女まで。
著者情報
1908年フランス・パリ生まれ。20世紀を代表する作家・思想家。本書はフェミニズムのバイブルとして長く読み継がれている。著書に『老い』『娘時代』など。ゴンクール賞、エルサレム賞など、受賞多数。
内容説明
「女は他者である」。コレット、ロレンス、ヴァージニア・ウルフなど、さまざまな文学作品や歴史書、批評をひもときながら、男と女の違いを構造的に捉える試み。身体機能、月経、性の入門、同性愛、結婚…。女はどう育てられ、どんな状況を生きるのかを具体的に分析し、主体性回復の手がかりを探る問いかけの書。
目次
第1部 女はどう育てられるか(子ども時代;娘時代;性の入門;同性愛の女)
第2部 女が生きる状況(結婚した女)
著者等紹介
ボーヴォワール,シモーヌ・ド[ボーヴォワール,シモーヌド] [de Beauvoir,Simone]
1908年パリ生まれ。作家・思想家。1943年、小説『招かれた女』で世に出る。49年、本書を発表し、世界的反響を呼ぶ。フランスの女性解放運動に積極的に参画した。生涯のパートナーはジャン=ポール・サルトル。1986年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アナーキー靴下
61
女性の成長段階に応じた行動や心理が詳説されるが、流石に70年も前となると、文化の差を感じる点も多い。私の子供時代と比べてさえ、個人差があるかな…と思える話が多いが、先輩方が切り拓いてくれたからなのだと実感する。一方で、本巻では性愛についても取り上げられており、普遍的かまでは判断できないものの、今なお通ずるのは間違いない。スタンダールの『赤と黒』が読みたくなった。以下自分用覚書。 ●(P174)男を挑発して喜ぶが、男に欲望が起こったとみると、嫌悪感もあらわに身を引く。男の欲望は侮辱でもあり賞賛でもある。2023/07/28
chacha子
4
様々な条件下において、女性がどのような心理状態になるのかを克明に書いた哲学書。精神分析的な側面も多分にある。2023/12/05