内容説明
「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」。一九四九年の刊行以来、世界中で翻訳され、社会に衝撃を与えてきたフェミニズムの画期的名著。哲学、生物学、精神分析、文化人類学、神話、文学など、ジャンルを横断しながら、男に支配されてきた女性の歴史を紐解き、「女という神話」を乗り越えるための必読の一冊。
目次
第1部 運命(生物学的条件;精神分析の見解;史的唯物論の見解)
第2部 歴史
第3部 神話
著者等紹介
ボーヴォワール,シモーヌ・ド[ボーヴォワール,シモーヌド] [Beauvoir,Simone de]
1908年パリ生まれ。作家・思想家。1943年、小説『招かれた女』で世に出る。49年、本書を発表し、世界的反響を呼ぶ。フランスの女性解放運動に積極的に参画した。生涯のパートナーはジャン=ポール・サルトル。1986年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
74
中村文則の『教団X』を読んでから、何故女性をあんなにも従属的に書いたのか、ずっと考えていた。意図的に、男性優位の暴力的な社会を、一方的な力による支配を描いたのだろう、そう思うに至ったのは、私自身、女性による主体的な性的欲求を思い描けないと気付いたからだ。そんなところにお気に入りの方が「女性は作られる」に触れておられ、本書に興味を持つ。本巻は主に、女性が男性社会でどう扱われてきたか、が横断的に取り上げられており、どちらかといえばフェミニズム論の地固め的で、読みたかった内容とは少し違った。次巻『体験』に期待。2023/07/01
さとうしん
16
この巻では生物学、心理学、哲学、文化人類学、歴史学、神話、文学評論等々多方面から、「女という神話」を解体する。アメリカにおける黒人差別と女性差別との交差の問題についても言及されている箇所もある。後半の文学評論については、取り上げられている作品が今の日本の読者の多くにとっては馴染みがないものが多く、正直あまり取っつきがよくないので、日本の古典・現代文学、漫画やアニメの評論を補足したらいいかもしれない。巻末のあとがきは、日本語訳の問題や日本での読まれ方がまとめられていて参考になる。2023/03/15
kenitirokikuti
8
復刊の訳者あとがきのみの感想▲2021年、Eテレ100分de名著は講師上野千鶴子でボーヴォワール『老い』だった。ボ女氏の主著が『第二の性』なのは明らかなので、『老い』を選ぶのはちと不親切と感じたものだ。…しかし、確かめてみると、『第二の性』の文庫さえ品切れだったのだ。新潮文庫の新訳『第二の性』は初版2万部を売り切ったが増刷はなかったそうな▲日本の第二波・第三波フェミニストらはボを支持しなかった、と復刊版の訳者後書きは語る。彼女らは最初期の新制東大生。彼女らの自負をどう聞くべきか分からない。2023/03/08
chacha子
4
とにかく何回も読み返そうと思う。2024/01/01